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第2話 ミル貝の比べっこ(♡)
「見てみろ!」
アカツキは、浜辺の低木の下にソラを連れ込み、腰布を下ろしてマラ棒をぼろんと出した。
ソラとしては、早くブダイをさばきたかったのでどうでもいいのだが、アカツキに無理矢理引っ張ってこられたのだ。
根元が太く、うっすらと真ん中に縦筋が入り、先っぽに向かって色が濃くなっていき、先端が少し丸くなって二つに割れ、何かを出す小さな穴がある。そして大きい。
その点は確かに同じだ。
黒い下生えから堂々とぶら下がっているアカツキのマラは、ミル貝のように太く、しかし赤黒く、みっしりと充実した肉の気配を帯びており、「雄」としてのエネルギーを感じさせる立派なモノだった。
しかしさすがに、ソラが今日獲ったミル貝の管は、ソラの腕の長さほどもある。
「確かに大きいけど、俺のミル貝のほうが大きいよ」
ソラはあくまで、「俺の獲ったミル貝」のつもりで言ったのだが、アカツキは勘違いしたのか、
「何? じゃあお前のも出せ!」
と絡んできた。
「しょうがないなぁ……」
早く済ませて魚をさばきに行こう。夕餉の支度が始まってしまう。
ソラはまだ少し濡れている麻の上衣をめくり、口にくわえると、手で腰布を下ろした。
「……ん。……こえでいーい?」
ごくり、とアカツキがなぜか喉を鳴らした。
「……フン、ちいせぇじゃねぇか」
「俺の獲ったミル貝の方が大きい、っていう意味で言ったんだよ。俺のマラ棒は別に大きくないよ」
「そうだな。俺のマラ棒がソラのより大きいことは確かだな」
だから競っていないのでどうでもいいのに、アカツキはマラ棒の大きさにこだわっているようで、得意げにフフンと鼻を鳴らした。
「それから、ソラの獲ったミル貝よりも、俺のマラ棒の方が大きいから、そこんとこ勘違いすんなよ」
「いや、それはさすがにミル貝のほうが……」
「うるせぇっ! 俺のは、硬くなったらもっとデカくなるんだよっ」
「いや、そんなの知らないから」
「じゃあ見せてやる」
そう言うとアカツキは、ソラの腰をつかんで砂浜に座らせ、隣に座った。
「硬くなった状態で比べっこしようぜ」
アカツキはニヤニヤと笑いながら、右手でソラの腰を抱き寄せ、左手でソラのマラ棒に手を伸ばしてきた。
「え、いや俺は大きさとかどうでもよくて……」
「うるせぇ」
なんでそんなことをしなければならないのか、ソラにはまったくわからなかったが、否も応もなくアカツキはソラのマラをしごき始めた。
男同士でマラをこすり合っている者たちを、茂みの向こうに見かけたことはあったが、まさか自分にそんなことが起きるとは。
ソラのモノはみるみる熱を持って硬くなっていく。
びくん、と身体が反応してしまい、声が出そうになったが、アカツキに笑われるかもしれないと思って、肘で顔を覆った。
「お前も早くやれよ」
少し息を荒くして、アカツキがせかした。
ソラが仕方なくアカツキのマラに手を這わせると、そこはすでに、ミル貝の管よりも硬くなっていた。
アカツキも興奮していることにソラはなんとなく安心して、ぎゅっ、ぎゅっ、ぎゅっとアカツキのマラをしごき始めた。
自分のマラ棒もこすられているので、気持ちよさについつい、手の力が抜けそうになってしまう。
「ん……っ、もっと強くしろよ」
アカツキが気持ちよさそうに息を吐き、ソラの腰をさらに抱き寄せた。
「……こうか?」
「ああ……、いいぜ……」
ソラが指を輪っかのようにして強めにしごくと、アカツキは吐息交じりに答えてソラのモノをしごく手に力を込めた。
アカツキが気持ちよくなっているということに、胸が浮き上がるような感じがして、ソラが少し上体を引くと、きゅんっと突然の快感が突き上げた。
「あっ、気持ち、いいっ……」
「おかしな声、出してんじゃ、ねぇよっ……」
思わず声が出て、アカツキに吐息交じりに怒られた。
──やっぱり声ガマンしないと……。
口を引き結び、鼻から息を逃していると、アカツキがソラの肩口でささやいた。
「どうだ、デカくなってきただろ……」
確かにアカツキのマラは、ビンビンにそそり立ち、さっきよりもずっと大きくなっていた。
陸に上げられて水管を縮こまらせているミル貝よりも、今なら確かに大きい。
「うん、確かにアカツキのマラの方がおっきい……」
そう言うとアカツキは得意げに笑って、ソラの腰をさらに抱き寄せた。
「ほら、ソラのマラも大きくなってるけど、俺の方がデカいぞ」
アカツキは、怒張したマラ棒をソラのモノの隣に並べた。
確かに大きさも太さも、アカツキのモノのほうが一回り立派だ。
並べて見ていると、ちょんっとアカツキのマラ棒の先っちょが、ソラのサオに当たった。
「あっ……」
手で触れるより、かすかな刺激のはずなのに、ソラは声を出してしまった。
「なんだよ。ソラ、お前俺のマラ棒でつつかれたかったのか?」
意地の悪い笑みを浮かべて、アカツキはさらにちょん、ちょん、とマラ棒でソラのマラをつついた。
「あんっ」
自分の口から女のような声が出てしまったことに驚いたが、確かに気持ちよかった。
「うん、なんか、気持ちいいっ……」
「じゃあ自分でくっつけろよ」
はぁ、はぁ、と息を荒くしながら、アカツキは脚を開き、向かい合わせにソラを座らせた。
「ほら」
「うん」
ソラは膝立ちになり、アカツキの肩につかまって、マラ棒に自分のモノを近づけた。
二人の硬いマラが近づき、コツン、とぶつかった。
触れたところから、びりびりするような刺激が走る。
「もっとくっつけてみろよ」
言われるままに腰を突き出すと、二つの竿がぴとっと触れ合う。思わず腰を動かして擦り合わせると、アカツキの太くて力強い指が、ソラの腰をつかんだ。
ソラは夢中になって腰を動かし、ごりゅごりゅとアカツキのマラに自らのモノをこすりつけた。
マラ棒同士をこすり合わせると気持ちいいなんて、全然知らなかった。一人でするのとは全然違う気持ちよさだ。
ぬち、ぬち、と湿った素肌がこすれ合い、表皮の下の肉に、相手の熱がぐにぐにと押し付けられる。
「……あっ、あっ、ああっ……」
「くっ、ぁ……っ、ぁあ……」
二人分の吐息が混じり合い、先走りの汁でくちゅくちゅと水音が聴こえ始めた。
アカツキが「くっ……」と顔をしかめたので、ソラが腰を引き気味にすると、アカツキが怒ったように、ソラの腰を引き寄せた。
「逃げんなよ」
「んっ、あっ」
さらに強く押し付けられて、怒られているのにすごく気持ちよくなってしまい、思わず声が出た。
アカツキの眉間のシワは、どんどん深くなっていくのに、肩につかまった手に力を込め、腰を突き出してぐりぐりと強くこすりつけてしまう。
「はっ、はぁっ」
「んぁっ、んっ」
激しい吐息が混じり合い、どんどん頭が真っ白になっていく。
ソラの中を精が駆け上ってくる感触に、アカツキの肩の後ろに必死で縋ると、アカツキもソラの腰を支える手に、痛いくらいに力を込めた。
「……あっ、あっ……、あっ……!」
触れ合っているアカツキのマラ棒が脈打ち、ソラは自らの身体とマラ棒をアカツキのマラに強く押し付けた。
びゅるっ! びゅるるるるっ!
びゅくんっ! どぴゅっ! どぴゅどぴゅどぴゅーーーーっ!!
二人の身体の間に、大量の白濁液がほとばしった。
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