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第7話 「やり方」はわからない。でも「やる」(♡)

「よーしよし、偉いぞロロ。……もう行っていいからな」  アカツキが干し肉のかけらをロロに与え、背中を叩くと、ロロはトテトテトテッと階段を下りて行った。 「おうソラ。何やってるんだよ」  扉が閉められると、松明に照らされて、ニヤリと笑うアカツキの顔半分が浮かび上がった。 「ひっ……」  下半身を丸出しにしたままソラが後ずさると、アカツキはドカドカと歩み寄り、ソラの足元にしゃがみこんで指先につまんだ紐を見せた。 「これ、なんだかわかるか?」 「……」  口の端を片方上げて笑うアカツキに、ソラは顔を背けた。緋色の紐……、アカツキの槍の紐だ。  アカツキは、背けたソラの顔にさらに紐を近づける。 「俺の槍がなんかベタベタするから、昨日巻き直したんだよな。それで古い紐の匂いをロロにたどらせたら、ここでお前が……」 「ご、ごめんなさいっ!」  ソラは槍を抱えたまま手と足をジタバタさせて、壁際まで後ずさりした。  アカツキの大事な槍を汚したことも申し訳ないし、妄想の中で勝手にアカツキとまぐわっていたことも恥ずかしくて申し訳なくて、逃げ出したくてたまらない。  しかしアカツキは、ソラをなじるでもなく、黙って松明を台に立てかけた。  床に置きっぱなしの|蓆《むしろ》の上に、キジの羽を貯めた麻袋を出して平らにならすと、その上にさらに毛皮を敷いている。  びくびくしながらソラが見ていると、アカツキは毛皮の上に胡坐をかき、なぜか上半身を脱ぎ始めた。 「こっちに来い」  ──な、なんだろう……。  槍を抱えたまま、おずおずと足を踏み出すと、 「槍は置け」と言われた。  槍を立てかけて、そろりそろりとアカツキの方へ近寄る。  怒られるのではないかという怯えと、そういう怯えの中に逃げ込んで、本当に期待していることを考えまいとしている自分の臆病さに、胸がつぶれそうになる。  敷かれた毛皮の端まで来て立ちすくんでいると、手首を引っつかまれて、思わず前に倒れた。  ドンッとアカツキの胸板に顔が当たり、重なって倒れるような形になった。  裸の胸にぶつかって、ちょっと痛いしびっくりしたし、アカツキの素肌が熱い。  混乱したソラは、慌てて上体を起こそうとしたが、ガシッと背中を抱きしめられて、身動きができない。  辛うじて顔を起こすと、アカツキと目が合った。  さっきまでのニヤニヤ笑いは影を潜め、静かな眼差しでソラを見つめている。 「ソラ。お前さ……」  形のよい、少し厚い唇から言葉が漏れ、乾いた大きな手がソラの背中を撫でた。 「俺に唇吸われるの、好きか」  予想外の言葉に面食らいつつも、ソラの鼓動はドクドクと高鳴り、かあっと顔が熱くなった。  なぜ、そんなことを聞くのだろうか。さっきもアカツキに唇を吸われることを夢想して身体を熱くしていたのを、まさか読み取ったのだろうか。  もしかしたら笑われるかもしれない、そう思いながらも、ソラは正直に言うのを止められなかった。 「う、うん……。好き……」  目を伏せて消え入りそうな声で言うと、恥ずかしさと、知らなかった何かに言葉が与えられたような満足感で、鼻がツンとなって頭がポワポワした。 「そっか……」  するとアカツキは、ソラの頬と耳に手を添わせて、顔を近づけた。  近づいてくるアカツキの唇に、なんとなくまぶたを閉じると、熱く柔らかいものがソラの唇に重なった。  ちゅっ、とソラの唇を軽く吸って離れたアカツキの唇が、独り言のようにつぶやいた。 「なんでかわかんねーけど、俺も、好きなんだ……」  もう一度アカツキの唇が近づき、そっとソラに重なった。  途端に、心臓に火がついたようにソラの身体が熱くなって止められなくなった。  衝動の赴くままにアカツキの首に力いっぱい抱きついて、ちゅっ、ちゅっと何度もアカツキの唇を吸うと、アカツキはソラの身体を支えながら転がり、ソラを組み敷いてきた。  それが嬉しくて、「はあっ」「はあっ」と湿った息を吐くと、アカツキに唇でふさがれ、息もできないほど舌で口内をしゃぶられる。 「んっ、んんっ……」  アカツキの背中に手を這わせ、熱い素肌を撫でまわすと、その都度満たされるのに、身体の奥が「もっともっと」とソラをせかした。  ソラのマラ棒は、もうパンパンに張りつめている。脚を広げてもじもじしていると、アカツキが、熱く滾ったモノをゴリゴリと押し付けてきて、唇と股間から、身体が溶けていきそうになる。 「はぁんっ! す、好きっ……」  アカツキとは、マラ棒をくっつけ合っているだけの関係だったはずなのに、衝動が止められなかった。 「好き、好き」と喘ぎながら身体を絡めると、アカツキは「俺もだ……」と耳元でささやいた。 「わかんなかったけど……わかった」  アカツキは、ソラの身体を抱きしめ、唇で色んなところを吸いながら、「好きだ」「好きだ」とささやき続ける。 「でも、マルメと夫婦になるんじゃ……」 「んなわけあるかっ!」  アカツキの腕の中で、戸惑いながらソラが言うと、アカツキは即座に怒鳴った。 「そこまで話進んでたか? ……お前の方見てて、何の話してたかぶっちゃけよく聞いてなかった」 「そうだったんだ」  実のところソラも、アカツキにマルメが酌をしているのを見て、なんとなくモヤモヤして海の方を見ていたら、クジラがシャチに追い立てられていたのでそちらに気が行ってしまい、話の流れをまるで聞いていなかったのだ。 「ともかく、俺は……俺は……。なんでかわかんねーけど、俺の槍がイカ臭くてベタベタになってるの見て、ソラだったらいいな、って思って……そしたらムチャクチャ興奮したんだけど……」  そこでいったん言葉を区切り、アカツキはソラの耳元で、小さな声でささやいた。 「実際お前、何してたわけ?」 「……俺……ここでアカツキとまぐわう想像して、アカツキの槍でマラ棒こすってたっ……」  かあっと顔じゅうが熱くなり、目尻から涙をはみ出させながらソラが正直に言うと、アカツキは怒るどころか、むしろぎゅっと抱きしめてきた。 「すげー、ムラムラする……。俺も……、ソラとしてぇ」  はぁ、はぁ、と熱い吐息を吐いて、ソラの丸出しの下半身に、服越しにマラ棒を押し付けてきた。  しかし、残念ながらソラに女陰はなく、二人はこれまでと同じように、マラ棒を二人の身体の間でこすり合わせた。  アカツキがせわしない手つきで腰布を下ろすと、いつもソラを気持ちよくしてくれる大きなマラ棒が、熱くしめってソラのマラ棒を突いた。 「あ♡ あぁんっ♡」  嬉しくって大きな声を出すと、アカツキが肩を抱く手を伸ばし、耳元を撫でてくれた。  ぬちっ、ぬちっ、くちゅっ、ずちゅっ…… 「ソラ、想像してたのは、俺のことだけか?」 「うんっ、アカツキだけっ……あんっ♡」 「俺以外は、絶対にダメだぞ。声かけられても誰にも触らせるなよ」 「うんっ、うんっ……、あ、あんっ♡」 「あっ」、「あっ」、「あんっ」と喘ぎ声を上げながら股を開いてアカツキの腰を挟み、夢中でマラ棒を絡め合う。 「わかってんのか。俺の『好き』は、鹿肉が好きとか祭りが好きとか、そういうのとは違うんだからな」 「はぁっ……♡、わかる、わかる、だって俺の『好き』も、泳ぐのが好きとかお魚が好きとかと、全然違うから……」  ソラの身体にむしゃぶりつき、色んなところに吸い付き、腰をこすりつけながら、アカツキが呻くように言うと、同じようなことを考えていたことに、ソラは嬉しくなった。 「アカツキだけ、なんか全然違う『好き』なんだっ……」  ぬちゅっ、ぬちゅっ、ぬちゅっ……  熱く火照ったマラ棒はガマン汁を絡ませあいながら、どんどん高まっていく。 「あ、あ、出ちゃうっ……、アカツキ、一緒に……」 「ああ……」  二つのマラ棒がドクッドクッと脈動し、びゅっ! びゅるるうっ! と二人の身体の間を濡らした。 「はぁ……、はぁ……」  出した後も、離れたくなくてアカツキとソラは抱き合っていた。  アカツキが腰をずらすと、ぬとぉ~っと精が腹部を流れて、ソラの尻に垂れていった。 「……まだ、たんねーな……」  ずちゅ、ずちゅ……とアカツキがソラの身体に、再びマラ棒をこすりつけ始めた。  二人の精で濡れたソラの身体は少し滑りやすくなって、先ほどまでとは違う快感をもたらした。 「あ……♡」  膝を立てたまま横たわり、なされるがままにアカツキのマラ棒の感触にうっとりしていると、硬いマラ棒がズルッと滑ってソラの内股に入り込み、尻の窄まりに当たった。 「わっ!」  ソラは驚いて腰を浮かせて後ずさったが、アカツキは目を見開いて、ある一点を見つめていた。 「……あるじゃねぇか。穴が」 「えっ! ここは違うよ! お尻の穴だよ!」  ソラは慌てて身体を丸めたが、アカツキに片手で両腕をつかまれ、もう片方の手で身体を押し広げられてしまう。 「やっ、やぁんっ……」 「なんだよ。俺とまぐわいたいんじゃないのかよ」  力づくで押さえつけられているのに、アカツキの精悍な顔立ちと逞しい肉体が目の前に広がって、ソラの目は勝手に潤み、頬が熱くなって体が疼いた。 「うん……。俺、アカツキとまぐわいたい」  果たして尻の穴にマラ棒が入るのか、そしてそれで「まぐわった」という気持ちになれるのかわからなかったが、男女のように互いの身体をつなげたいという二人の欲望は、疑いようもなかった。

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