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第4話

※ちなみにSubは口が封じられていてもセーフワードが言える世界観です。 「わぁ~!似合う~!!」  目の前に四つん這いになった河原を見て、僕は手を叩いて喜んだ。真っ黒な首輪(Coller)とリードを付けられた犬くんは、ボールギャグを噛ませられているのでこちらを睨みながらふごふご言うだけだ。口を閉じられないからだらだら涎を垂らしていて、当然全裸だから人間の尊厳なんてあったもんじゃなくて、滑稽で可愛らしい。 「よく我慢しまちたね~!いいこいいこ(Goodboy)」  と撫でると本能的に一瞬だけ目を細めそうになってまた睨みつけてくるのもかわいい。このまま鑑賞してるだけでプレイ終わりそう。 「これで散歩とか行ったら楽しそうだよね!」  って撫でながら言ったらひゅっと息を呑むのもGood。野外プレイは禁止されてないけどそれは人目につかないようにやった場合であって、公然わいせつはさすがに捕まっちゃうからやらないけどね!半分本気だけど。 「さて、犬くんに見てほしいものがあります」  そう言いながら棚をごそごそやる。色々見えるブツに戦々恐々としているのが分かって楽しい。テンションが上がるのが止まらない。 「まあ最初はオーソドックスにこれだよね…ん?もしかして1本鞭見たことない?ないよね~」  そう言いながら床に向けて鞭を振る。ヒュッと風を切り、パァン!と相当な音が鳴る。鞭を見た時点で青ざめていた犬くんは思った以上に響く音にビクッ!!と飛び跳ねる。 「動くな(Stay)!」  即座に腹から出した声にまたしても飛び上がりそうになった犬くんは健気にも踏みとどまった。 「よーしよしよし、えらい子だね~」  Stayを継続したまま顔をもみくちゃにするともうどうしたらいいのか分からないという表情になってしまってかなりそそる。 「今日は直接叩くとかしないから大丈夫。音に慣れてもらうだけだからね」  目を見ながら言うと、いつか使うんじゃないか!と言いたげに涙目でこちらを睨んでくる。いいね、その顔だよ。 「じゃあ10回、いくよ~!」  にこやかに告げながら僕は鞭を振り上げた。  結論から言うと、僕は63回鞭を振ることになった。もちろん河原が何回か動いてしまい、その度に10回追加したからだ。鞭の練習してて良かった。手元が狂って下手に当たってしまったら僕としても不本意だ。上手く調整しないと結構危険だからね、これ。それに楽しみは本番まで取っておきたい。  河原は途中で粗相もした(僕が拭いた)し、ほとんど腰も抜けてたけど、最終的にはちゃんとStayを守ってくれた。解除した途端崩れ落ちたけど。 「ひ、人をなんだと思ってるんですか…?」  ボールギャグを外して最初に言った言葉がこれだ。真剣(マジ)に怯えていた癖して、なかなか図太くないか? 「えっと、かわいい僕の(Sub)?」 「本心で言ってるから目も当てられない…」  河原が顔を覆う。リード付けられた裸の男がやっても面白いだけだな。っていうか君セーフワード言わなかったじゃん。本気で嫌ってわけでもないのでは? 「…あれ、本当に使うんですか?」 「ん?鞭のこと?君が慣れたら使うけど。楽しみだな~!」 「慣れたくないです…」  ちなみに刑務所の派遣Domってハードプレイとかやらないのかってちょっと思ったけど、後で聞いたら「っあなたねえ!僕が言うのもなんですけど公務員舐めてませんか!?…ちゃんと普通のプレイでしたよ。僕の場合犯した罪が罪だったので時々蔑むような目で見られて大変心が痛かったですけどそれはともかくですね」などと人が変わったように真面目にこんこんと説教されてしまった。なんかちょっと地雷踏んだかな。  そういえばDom派遣サービスが公営だった頃から働いてたんだっけこの人。自分のことは棚に上げて言うけど、どうして道を踏み外しちゃったかなあ…。  その夜。 「そうだ、今日は初めてなのに頑張ったご褒美に僕を抱いてもいいよ!」 「それがご褒美になると思ってるんですか~?」  間髪入れずに河原が返す。順応が早い。 「なるでしょ、僕を好きにしていいんだよ?準備もしたからいつでもOK!」 「言っておきますけど僕は痛いこととかしませんからね」 「それはいい!優しくしてね?」 「どっちにしろ腹が立ちますね…」  そう言いながら服を脱いだ河原がのしかかってくる。ぶつくさ言いながらも据え膳は食う人間らしい。プレイしてた時から思ってたけど、うっすらついた筋肉にちょっとほれぼれする。写真じゃ絶対見れないからね、当然!  などと余裕でいられたのもちょっとの間でした。河原はベッドの上ではかなり尽くすタイプらしく、僕はペニスを扱かれて1回、フェラされながら指を突っ込まれて2、3回、この時点で結構前後不覚になっていたので本番を始めてから何度イったかはちょっと覚えてない。なんか全身をどろどろに溶かされる感じしたよね、今までのつんつんした態度どこに行った?  終わった後後始末もしてくれた。僕は残念ながら指どころか目も開けられないくらい疲れていたから甘んじて受けたし、秒で寝落ちした。めちゃくちゃいちゃいちゃする夢見たけど、さすがに会ったばかりなので夢でした。

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