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第3話

 その日の夜、僕は先輩との会話を思い出しながら、自分自身を振り返っていた。 「先輩の言う通りだ。自分を客観的に見つめ、過度な自己評価や過小評価に陥らないようにしなければ」  心の中でつぶやきながら、僕は机に向かって座り、教科書を開いた。明日のテストに向けて勉強しなければならない。  しかし、その思考の中で、先輩のことが頭から離れなかった。彼の言葉はなぜか深く僕の心に響いていた。 「先輩はいったい何を悩んでいるんだろう?」  そんな疑問が頭をよぎりながらも、僕は一生懸命に勉強に集中した。だが、気になる先輩のことが頭から離れず、なかなか集中できなかった。  翌日の放課後、プールの更衣室で再び先輩に会った。 「先輩、昨日の話、どうもありがとうございました」  先輩は僕の声に気づいて振り返った。 「ああ、松元か。あの話はどうでもいいよ」 「でも、僕にとってはとても意味のある話でした。先輩のおかげで、自分自身を客観的に見つめ直すことができました」  先輩は僕の言葉に微笑んで頷いた。 「よかったな。君もそうやって自分を成長させていくんだ」  その言葉に、僕は再び先輩の内面に興味を持った。彼がどのような思いを抱えているのか、そしてそれをどのように乗り越えてきたのか。そんなことが気になり始めた。 「先輩、実は昨日の話を聞いてから、あなたのことが気になっていました」  僕は思い切って言葉を続けた。 「何か悩み事でもあるんじゃないかと思って」  先輩は僕の言葉に驚いたような表情を見せたが、すぐに笑顔に戻った。 「松元、そんなことまで気にかけてくれてありがとう。でも、大したことじゃないよ。ただの些細なことさ」  先輩は軽く首を振って、更衣室を出ていった。僕は彼の後ろ姿を見送りながら、心の中で彼のことを考え続けた。

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