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05.初めての授乳…じゃなくて妖力供給!(☆)

 Yシャツは……脱がなくていいか。白いインナーを摘まんで、ぐんっと(たく)し上げる。 「どっ、どうぞ」 「ありがとう。失礼するね」 「わっ……」  妖狐さんの手が俺の胸に触れた。骨ばった大きな手。だ。 「~~っ」  止せ。余計なことは考えるな。これは仕事。俺は『守り手』なんだから。 「んっ……」  口に拳を押し当てて、インナーでそっと顔を隠した。せめてこのぐらいは許してほしい。 「とても強力だけど凄く繊細だね。まるで雪のよう」 「っ!」  ~~っ、そういうのいいですから!! 出かけた文句をぐっと呑み込む。 「手でいただくのは……無理そう。これも……ダメか」  結局、吸うしかないんだろうな。(くすぐ)ったいで済めばいいけど……勃っちゃったらどうしよう? 「…………」  インナーを少し下げて、妖狐さんのお顔を盗み見る。さらさらでキラキラな銀髪。目の形は切れ長で、瞳の色は金色。鼻筋も唇もシャープでくせがない。控えめに言って超イケメンだ。この人とならふつーにヤれる――って!? ばばばばばっ、バカ!! 何考えてんだ、俺ッ!!!! 「ごめん。やっぱり口に含むしかないみたい」 「っ!?」  妖狐さんの顔がアップになる。声が出ない。心臓が……止まった? 「あ! そうだ! ねえ、君はどんな女性が好み?」 「え゛っ!? なっ、何ですかいきなり――」 「化けてあげる。君の理想の女性に」 「俺の……理想の……」  思い浮かんだのは……黒髪ロングの巨乳女子だった。おっとりとした感じの優しそうな子。年は18。俺と同い年だ。そんな女の子が俺に迫って来る。薄桃色の舌が俺の乳首に触れて――。 「だっ、ダメダメダメダメダメ!!!」 「えっ?」 「チェリーな俺には刺激が強すぎるので、その……いっ、今のままで!!」 「??? そう? じゃあ、体勢だけ変えさせてもらおうかな」 「はい!!!! 喜んで!!!(?)」  そうして俺の体はぶっとい枝の上へ。頭の下には紺色の布が敷かれた。妖狐さんの上着だ。良いにおいがする。これは花の香り? 変な話、全然獣臭くないぞ。 「始めていくね」 「はっ、はい! ――ぁッ……!」  何かが乳首に触れた。生温かくて湿ってる。これは……舌か。 「ンンっ……!!」  ペロペロペロペロ。思ってたよりもずっと激しい。早く終わらせようとしてくれてるのかな。ありがたいけど、でも、そんなふう、にされ、たら……!! 「ンっ、ンン! ……んァ……ふぅ……!」  ダメだ。声、出ちゃう……っ。 「あっ!? ~~んンっ♡」  吸われた。全身がビリビリする。背中は弓なりになって、口からは一層甘ったるい声が。~~っ、キモい。キモすぎる。せめてこの声だけでも何とかしないと。 「んぐっ、んぅ…んんっ……」  俺は拳を(くわ)え込んだ。唾でべちゃべちゃになってく。めっちゃ汚い。けど、今はそんなことどうだっていい。 「んんっ! んっんっ、んんぁ、ン……っ」  ダメだ。力が入らない。おまけに頭もぼーっとしてきた。ぼやけていく。何もかもが。俺が俺じゃなくなる。 「やっ……」  怖い。怖い。怖い。涙まで出てきた。止まらない。 「うぅ゛……ぐぅ……っ」  手で涙を拭う。斜めになったインナー。その先で妖狐さんと目が合う。

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