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42.妖狐転生(★)

(かおる)さん達が帰ってから一週間後。 俺はリカさんと二人、例の山小屋の中にいた。 行灯の灯りが薄っすらと部屋を照らしている。 鈴虫の唄も心地いい。何とも秋らしい夜だ。 「よいしょっと」 俺は枕元に藍色の風呂敷を置いた。 結び目を解くと出てくる出てくる。 シロツメクサの冠、千羽鶴、布製のお守り、丸い小石、大豆、鉢巻き、簪……などなど、何ともバラエティ豊かだ。 「…………」 『子宝・安産御守』の文字は、見なかったことにする。 まだ早い。その話は、俺達の夢がある程度形になってからだ。 「里のみんなから?」 「はい。お守りだそうです。無事に転生出来るようにって」 「へえ~♪」 リカさんの指がお守りをなぞっていく。 一つ一つ、愛おしげに。何だか擽ったいな。 「優太(ゆうた)」 「はっ、はい」 いよいよか。 重たくなった唾を飲み込みながらリカさんと向き直る。 リカさんは寝巻に身を包んでいた。 色は白。絹製の上等なヤツで、物凄く似合ってる。流石は王族(ロイヤル)だ。 因みに俺も同じものを着ている。 けど、ま~似合ってない。まさに服に着られてる状態。 ははっ、まったく……この差よ。 「んっ……」 唇が重なり合う。 じっくりと体温を移し合った後で、そっと啄んできた。 撫でるように、味わうように。 「っ!」 布団の上に白い魔方陣みたいなものが展開していく。 俺はそんな布団の上に押し倒された。 息つく間もなく帯を解かれる。そう。これが儀式だ。 俺がすることと言えば、ぶっちゃけいつもと変わらない。 リカさんに抱かれる。ただそれだけ。 俺がみっともなく喘いでいる間に、妖狐にしてくれるのだそうだ。 「っ、そこ」 リカさんの手が、露わになった俺の胸に触れる。 「うん。分かってるよ」 なんて返しながらも、リカさんの手は止まらない。 手の平でぐにぐにと撫で回したかと思えば、胸の先をきゅっと摘まんできて。 「ダメ……っ」 俺の胸から出る妖力には催淫効果がある。 取り込んだら術を練れなくなるから、今日は絶対に触らないって……そう言ってたのに。 「この前、散々……っ」 リカさんの言う『上書き』、あれは本当に凄まじかった。 穂高(ほたか)さんの体温も感触も、その一切を上書くようにペロペロはむはむチュッチュしてきて……。 リカさんが満足する頃には、乳首も唇もパンパンに腫れ上がっていた(術で直ぐに治ったけど)。 薄々察してはいたけど、リカさんって相当なヤキモチ焼きだよな。 まぁ、おかげで俺のトラウマは大分解消されたけど。 「ダメ。あんなんじゃ全然足りない。また今度上書きさせてね」 胸を一撫でして、唇にキス。 仕上げに悪戯っぽい笑みを添えてきた。 くっ! あざとカッコイイ……。これはもう抗えない。 『上書き』不可避だな。頑張れ、未来の俺。 「んっ!」 リカさんが俺のチンコを咥え出した。 フェラはありがたいことに経験済み。 四か月前のあの宣言通り、しょっちゅうシてくれてる。 お陰で俺の方は大分慣れた。 感じてはいるけど、それなりに余裕がある。だけど――。 「んぅ……んっ……はぁ……ンくっ……」 リカさんはまだ慣れない。相変わらずしんどそう。 まぁ、無理もないよな。 リカさんは口も小さいし、それに何より咥えさせられてるのはチンコだ。 臭いし、味だって最低。 『おいしい♡』を求める方がどうかしてる。AVの見過ぎだ。 そんなわけで色々と申し訳ない……はずなのに、同じぐらいドキドキムラムラもしてて。やっぱ俺も男なんだな。 「あっ!」 リカさんの指がナカに入ってきた。 細くて長い指が俺の体を開いていく。 おまけにチンコの先っぽにも吸い付かれて、~~っ堪らない。 「いっしょ、は……だ、めっ!? ンッ!!」 追い打ちとばかりに俺のイイところを擦り始めた。 容赦ねえ。ひたすらに擦られて、声も体も止まらなくなる。 「だっ……~~っ、あぁ!?」 「ん!?」 一気に脱力した。 イったんだ。我ながら早すぎる。 あまりの恥ずかしさに、両手で顔を覆っていると――。 「あっ……! えっ?」 間髪いれずに咥え出した。 なっ、何で……? 「悪いけど、今日はこれの繰り返しだよ」 「えっ……」 儀式のため、なんだろうな。 分かってる。分かってるけど……正直キツいかも。 「ん……はっ……」 案の定、二回目以降はキツかった。 気持ちいいけど全然イケない。足りないんだ。 お腹の奥がムズムズする。 リカさんの硬くて大きいので、ガンガン突いてほしい。 「っ、リカさん」 「ん?」 ダメだ。ダメなのに、欲しいと思ったらもう止められなくて。 「先っぽだけでいいから、ナカに……っ」 言った。言ってしまった。 リカさんはそんな俺を見て、困ったように笑う。 「ごめんね。私ときたら儀式にばかり気を取られて」 「いえ! 俺の方こそ堪え性がなくて。……ははっ、こんなんじゃ言い訳出来ないですよね。俺、マジで淫乱なのかも――っ!」 リカさんの指が俺の唇に触れる。 そして、静かに首を左右に振った。 否定してくれたんだ。ヤバい。泣きそう。 「あっ!? はっ……!」 きた。リカさんのが。 苦しい。だけど、物凄く幸せで。 「動くよ」 「はい――あぁっ♡」 前後に揺すられる。 奥まで突かれて、イイところも擦られて。 「んんっ、んふ……んっ……」 「はぁ……ン……ゆう、た……」 キスをする。唾液が流れ込んできた。少し青臭い。俺のアレの味だ。 けど、構わない。むしろ興奮する。 リカさんの口を犯してたってことだから。 「!?」 頭と腰が焼けるように熱い。 それに音が消えた。何も聞こえない。 「~~っ!!!」 更には視界までチカチカし出した。 なっ、……何なんだ、これ……っ。 「ああ、本当に良かった」 ぐっと抱き寄せられた。俺はそのままリカさんの膝の上へ。 白くて広い肩にくたりともたれ掛かる。 「んっ……?」 色々違和感があるぞ。 まずは……そう。聴覚だ。 リカさんの声がやたらとクリアに聞こえる。 それに……くちゃい。 嗅覚まで敏感になっているような気がする。 「あっ……」 もしかして。俺は恐る恐る手を伸ばした。 頭の上にはもふもふな何か。 振り返れば、尾てい骨のあたりから黒いもふっとしたものが生えていた。 「尻尾!? おっ、俺の尻尾!!??」 数は一本。流石に天狐ってことはないだろうから、一番下の位なんだろうな。 っていうか、俺も天昇したりするのかな? 「綺麗な尻尾だね」 「っ!」 銀と黒の尻尾が絡まり合う。 あったかい。それに締め付け具合もイイ感じで。 「これからはこういうことも出来るね」 「最高♡♡♡」 「ふふっ、それは良かった」 リカさんは笑顔を浮かべた……けど、その笑顔は直ぐに引っ込んで。 「……あのさ」 「はい?」 「自分のだけで……その……満足しないでね?」 「~~っ!!!」 俺は一人悶絶した。 この人は一体どこまで俺を狂わせるのか。 「酷いな。私は真剣に話をしているのに」 「これは喜んでるんですよ!」 「ん~?」 良かった。依然として俺の心は読めないみたいだ。 これからもこの思いを伝えていけるんだ。 普通の人達と同じように。 ほんと神様には感謝してもしきれないな。 「リカさんの尻尾が一番ですから」 「っ!」 リカさんの耳がぴんっと立った。 顔もゆるゆるになって。ああ、もう! 「ほんと大好き」 俺は愛おしさの成すままに、リカさんを抱き締める。 ぎゅ~~~っと力の限り。 一緒にいられる時間は、そう長くはないのかもしれない。 そんな覚悟を胸に一日一日を大切に生きていこう。 いつかその日が来た時に、決して後悔することのないように。

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