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見下してなんかないよ
帰り道、早川の自転車の後ろで揺られながら戸塚と話した内容を話す。正直パーティーとかそう言うのは早川の方が慣れてそうだからな。
「てな訳よ。何か中西が喜びそうな事考えようぜ」
「ふーん、あの戸塚がね」
「まずは場所だよな、外だと酒出してもらえねぇだろうからやっぱり誰かんちになるよな」
「そうなると、中西か戸塚の家が妥当だな。俺達がサプライズゲストなら俺達の家じゃバレちゃうし」
「んじゃあ言い出しっぺの戸塚んちは?その方が準備しやすいよな」
「場所は戸塚んちで決定。あとはプレゼントとかだな。貴哉一緒に選びに行こうぜ」
「ああ、前の日の放課後とかに行って選ぶか」
「そうだ、料理とかどうする?ケーキとか」
「必要な物とか、あと経費は戸塚が持つって言ってたから好きな物買っちゃおうぜ」
「戸塚って金持ちなのか?」
「さあ、今日初めて話したし分かんねー」
そんな話を早川としながら自転車で走っていく。うーん、上手くいくといいけど。
「なぁ早川ー」
「んー?」
「何か楽しみだな」
「そうだな。あの戸塚に頼まれたんだから絶対成功させなきゃだ」
「それもそうだけど、四人で飲むのとかって楽しそうじゃん。いつも戸塚居なかったりであんま四人で揃うってねぇし」
「いても喋らないけどな」
「だって戸塚は中西がいるからいつもいるもんな。俺嫌われてるし」
「……貴哉いつも睨まれてるもんな」
「そうなんだよ。中西と話してるの俺だけじゃねぇのにさ」
「まぁとにかくしっかり準備しとこう」
「おう」
戸塚に嫌われてるのは分かってるけど、中西の誕生日だし頼まれたからには責任持ってやり遂げなきゃな。
「そう言えば貴哉、明日から迎えどうするー?」
「ん?ああ朝のか?って、お前断っても来るんだろ?」
「まぁね」
「人の事見下して何が楽しいのかね」
「見下してなんかないよ。貴哉が退学になったら嫌だからさ」
「へー、何で?馬鹿にする相手がいなくなるから?」
「それもあるけど、純粋に貴哉いないとつまらないじゃん」
「……まぁ一人じゃ起きれないから頼むよ」
「りょうかーい♪」
遅刻だけはしたくないからな。ここはチャラ男に甘えとこう。そんで遅刻したらチャラ男のせいにしよう。
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