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サプライズ大成功
中西の誕生日会当日。学校が終わるとすぐに飛び出して俺と早川は先回りして戸塚ん家へ急ぐ。中西は戸塚とどっか寄り道しながら来る手筈になっている。
俺達の計画を話すと戸塚はケーキと料理はこちらで用意するって言うから任せる事にした。だから俺達はあらかじめ買っておいたプレゼントを持って行くだけだった。
そして戸塚の家に到着して俺と早川は一瞬困惑した。何故なら大豪邸だったからだ。
まず、大きな門があるんだが、そこで一度インターフォンを鳴らして門の鍵を開けてもらう、そして長い遊歩道みたいな道を歩いて行ってやっと本邸に着くみたいなんだが、そこが学校並みに長い。やっと家のドアまでたどり着くとまたインターフォン。鳴らすと若そうな女の人が出てやっと家の中に入れた。
俺が見た戸塚の家の印象は、小学校の時に校外学習かなんかで行った時の美術品の博物館とかに似ていた。
「いらっしゃいませ。お坊ちゃんから話は聞いております。会場までご案内致します」
ドラマとかで良く見るメイドが丁寧に頭を下げて俺達を出迎えてくれたけど、会場って、高校の友達の誕生日会だよな?想像していた規模と違うような気がして変な感じだった。
「こちらのお部屋でお待ち下さい」
長い廊下を歩いて行き、デカい扉を開けて俺達を中に入れるとメイドは一礼してどこかへ行った。
案内された部屋は、これまた大きな部屋で、真ん中に細長い机があるんだがそこには既にたくさんのご馳走が並んでいた。てかこの量って四人分とかじゃなくね?椅子の数も十人分ぐらい用意されてるけど、ここって本当に戸塚ん家だよな?
「見ろ早川!めっちゃ美味そう!」
「本当すげぇな。俺達が下手に惣菜とか買って来なくて良かったよ」
「なぁ少し食っちゃダメかな?」
「もう少しで来るから我慢しなって。貴哉はホントガキだな」
「なんだと!」
「あ、戸塚からメッセージ来た。今門だって!貴哉隠れよう」
「お、おう!」
早川に腕を引かれてドア側の部屋の隅に連れて行かれる。
そしてお互いポケットに入れておいたクラッカーを用意して主役の登場を待つ。クラッカーとか初めて使うからワクワクするなぁ。
廊下の方で中西の声がして、部屋の扉が開くと同時に俺と早川でクラッカーを鳴らして出迎える。
「ハッピーバースデー中西!」
「わあ!ビックリしたぁ!」
それはそれは驚いた顔してた。そりゃそうだ、俺達がいる事を知らない上にいきなりこんな派手な音鳴らされたら驚かない奴はいねぇだろ。
「えー!何で二人がいるのぉ?」
「サプライズ大成功~♪だよな戸塚!」
「ああ、礼を言うぞ二人共」
「ちょっとちょっと、どう言う事~?」
軽くパニクってる中西に早川が説明していた。やっと訳が分かった中西は本当に嬉しそうに笑った。
「もう~、全然知らなかったから驚いたよ~。本当にありがとうみんな」
「全部戸塚が中西の為って用意したんだぞ」
「そう、ありがとうね春くん」
「ああ」
「おー、戸塚がデレてる!おい早川写メっとけ」
「ラジャー!あー!カメラ向けたら睨まれた!」
「あはは、楽しいね~」
いや、本当に喜んでもらえて良かった。俺達もこんなご馳走が食えるとかラッキーだしな。
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