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ツンデレなんだよなぁ貴哉?

 学校に着くとクラスの奴らに朝から嫌な事を聞かれた。 「秋山と早川って付き合ってんの?」 「は?」  周りにそんな勘違いをされた俺の絶望感。  え、周りから見て俺達ってそんな風に見えんの?  一気に血の気が引いて行くのが分かった。 「朝も毎日一緒に来てるし仲良いよな~」 「ねぇよ!付き合ってねぇから!キモい事言ってんじゃねぇ!」 「なーにムキになってるの貴哉ちゃん。そんなだからみんな面白がるんだろー?」 「早川!ってくっつくなー!」  早川に後ろから抱き付かれて、話してたクラスの奴らも目を丸くして驚いた後に何かヒソヒソ話始めやがった!   「テメェらいい加減にしろ!それ以上変な事聞いて来やがったらぶん殴るぞ!」  怒鳴ると慌てて逃げて行った。あと早川を黙らせなきゃだな。 「お前なぁ、その抱き付いてくんのやめろよ!」 「貴哉の反応面白いからやだー♪」 「人で遊ぶんじゃねぇ!」 「空くん、貴哉が嫌がってるじゃないか。やめてあげたら?」 「お、中西~!もっと言ってやれ!」  ここで助っ人登場。後ろの席の中西が来て俺の味方に付いてくれたみたい。 「中西には分からねぇかな?貴哉は嫌がってるんじゃなくて喜んでんの。だからやめねーよ」 「どう見たって嫌がってるだろ」 「ツンデレなんだよなぁ貴哉?可愛い奴め」 「俺がお前にいつデレを見せた?」 「どうでもいいけど、貴哉も貴哉じゃない?嫌ならもっとハッキリ言えばいいんだよ」 「お、おうそうだな」  あれれー?中西さん俺にも怒ってる?そう言えば中西と早川って金曜日に喧嘩してたよな。早川は謝るとか言ってたけど、この様子じゃ仲直りなんてしてねーよな。 「こわーい。それじゃイケメンが台無しですよー?」 「空くん、茶化さないでくれる?」 「お、おい二人共その辺にしとけって」 「中西こえーから席戻るわ」 「…………」  ヒラヒラと手を振って自分の席に戻って行く早川。こんな中西は見た事がない。戸塚に助けを求めるか?いや、俺が行ったところで睨まれるだけだ。とにかく中西を落ち着かせなくちゃ。

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