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早川が階段から落ちたって!

   昼休みになって俺と中西は弁当を食う為に用意するけど、早川と戸塚は来なかった。早川はさっきの一件があったから分かるけど、戸塚は何で?教室にもいないみたいだ。 「なぁ、戸塚は?」 「さぁ、図書室で本でも読むんじゃない?」 「まさかあの後戸塚とも何かあったのか?」 「ないから心配しないで。それよりも唐揚げ食べる?今日作り過ぎちゃったの」 「戸塚いねぇし、食うけど」  やっぱり何か変だ!俺達の中で何かがおかしくなってる!まず早川と中西の仲は良くなってないだろ?おまけに戸塚と中西も変だし……  えー、俺の女装のせいなのかー?  そんな事をグルグルと考えていると、クラスの奴が慌てて駆け寄って来た。 「秋山!早川が階段から落ちたって!」 「はぁ!?なんで!」 「知らないけど、今は保健室にいるみたいだよ!」 「ちょ、行ってくる!」 「え、貴哉!お弁当はぁ?」 「先食ってて!」  アイツ何やってんだよ!  俺は自然と早川の元へ走っていた。  保健室に入ると誰も居なくてガランとしていた。  あれ、あのクラスメイト嘘吐きやがったのか?  すると、ベッド越しにあるカーテンの奥から気配がした。そこにいるのか?  カーテンを開けると、ベッドで早川が寝ていた。 「無事だったのか」  見た感じは怪我も無く平気そうだった。スヤスヤ眠る早川の横に座って顔を眺める。  女が好きそうな顔。良く見ると髪だけじゃ無くてまつ毛まで長いんだな。俺からしたらただのチャラ男だ。  俺が座ったからか早川が動いた。 「ん、あれ?貴哉?」 「おう起きたか」 「何で貴哉がいんのー?」 「お前がダセェ事になってるって聞いたから見に来てやった」 「あー、クラスの奴に見られてたか。もービックリだぜ。急に足がガクってなってそしたらドドドーって!」 「はは、全然分かんねーよ」  予想よりも元気そうな早川だったから安心して笑ったら、手を握られた。ビクッと反応するけど、ここは我慢してそのままでいた。 「貴哉、来てくれてありがと」 「おー早川がありがとうなんて珍し!頭でも打ったかぁ?」 「そーかも。あ、変な落ち方したみたいで両肘がめっちゃ痛いんだよね。あと足も!」 「あっそ、元気そうだから俺は戻るぞー」 「あ、待ってよ俺も行くし!」  ひょこひょこ付いて来る早川は片足を引きずっていた。仕方ない、俺様の肩を貸してやるか。  俺のその行動に早川が嬉しそうにしてたけど、今は余計な事は言わないでやった。

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