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何男乗せてんだよ

 もう少しで早川んちに着くって時に、こちらに向かって手を振る光陽高校の制服着た奴らが目に入って自転車を停めた。  光陽高校は柄の悪い高校で、偏差値も周りと比べて低く、誰でも入れる高校。  同中だった友達だった。 「よう、相変わらず不良やってんなお前ら」 「貴哉久しぶりだな!城山の制服似合わねーな!」 「ふんっ俺はお前らよりエリートなんだよ」 「てか何男乗せてんだよ。いい加減女作れよ貴哉~」 「うるせぇ、こいつ足怪我してんだよ」 「ねぇ、貴哉のお友達?」 「ああ、同じ中学だったら奴ら」 「チース!貴哉がお世話になってまーす」 「バーカ。世話してんのは俺だよ」 「ギャハハ!ないわー!どーせ貴哉が馬鹿やってんだろ?」 「てか何でギリギリで進路変えたんだ?貴哉も光陽希望だったよな?」 「てめぇらみたいなガラの悪い中に入りたくなかっただけだ。もう行くわー、じゃあな」 「おう、連絡するー」  確かにアイツらの言う通り、俺は元々今の城山高校じゃなくて、光陽高校を志望していた。が、ある理由があってギリギリで進路を変えたんだけど、これは誰にも話していない。 「時間食って悪かったな。早川ん家あそこのマンションだよな?」 「うん。ねぇ、何で光陽受けなかったの?」 「気分だよ気分。担任に聞いたら城山にギリギリ行けるかもって言われたからより良いとこに変えたんだ」 「の割には成績悪いよな」 「うっせ」 「本当に気分で変えたのか?貴哉、そういうの面倒くさがりそうなのに」 「あーもう忘れたよ!それより着いたぞー、チャリどこに置くんだ?」 「そこで大丈夫。なぁ、上がってぐか?」 「いや、帰る」 「兄貴のお土産で、巷で話題のロールケーキがあるんだけど、食いたいだろ?」 「俺は女子じゃねぇ」 「あーあ、貴哉帰っちゃうのか~」 「あのな、俺ん家ここから遠いの知ってるよな?」 「それを毎朝迎えに行ってるんだけどね俺」 「チャリじゃん」 「朝は通勤ラッシュで車も人も多いんだよ~?でも貴哉を遅刻させまいと人混みを掻き分けて、一生懸命漕いで……」 「分かったよ!ロールケーキ食ったら帰るからな!」 「いらっしゃーい♡」  くそー!いつの間にか早川のペースに飲まれてる!あまり早川と二人きりになるのは危険だから避けたかったんだけどちょっとだけなら大丈夫だろ……

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