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お前ってほんとムカつくな

 早川の部屋は中西の誕生会の後以来だな。今思えば酔った勢いとは言え恐ろしい事をしたな俺達。  そんな事を考えてると、早川がロールケーキと紅茶を淹れて出してくれた。 「お待たせ~。俺は昨日食ったんだけどまじ美味いよ~♪」 「へー、じゃあ不味かったら殴らせろな」 「いいよん♪逆に美味かったら俺にさせてね」  ニコニコ余裕かましてるチャラ男。まぁ殴る気なんかねぇけどな。  ロールケーキを食べてみると想像より美味くて驚いた。へー、こりゃ早川ん家上がった甲斐があったな。 「美味い♪こりゃ中西が喜び……っん!」  顔を上げて感想を言ってる途中で早川にキスをされた。ってまたかよ! 「なっなにしてんだてめぇは!」 「美味かったら俺にさせてねって言ったじゃん」 「アレは殴る殴らないの話だろ!」 「俺のはキスだったんだよ」 「意味分かんねぇ!帰る!」 「待ってよ貴哉。さっきお友達に言われてたっしょ?女作れって」 「それがなんだよっ」 「実際貴哉は女の子の事詳しくないだろ?」 「だから何だ!」 「俺が教えてあげるって言ってんの♡」 「いらねぇ!てか女なんかいらねぇし!」 「今はそうでもいつか来るでしょその時が。その時に貴哉に恥かいてほしくないのよ俺は」 「余計なお世話だっ」 「あー、俺に教わるって言うのが嫌なんだー?俺には負けたくないもんね~貴哉って」 「っ……」 「まぁ、覚えておいて損はないんじゃね?」 「お前ってほんとムカつくな」  久しぶりに茶化された気がするがやっぱり早川だった。このチャラ男をギャフンと言わせるには分からせてやるしかねぇ。  早川なんかに教わらなくても大丈夫だって事をな!

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