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何って告白だけど!

 早川と同じベッドの上。どうしてこうなった?  もうどれぐらい経ったか分からないぐらい早川にキスをされていた。 「んっ……んんっ……お前、長いっ」  そして上手いんだよチャラ男め!少し気持ちよくなっちまったじゃねぇか。クソ。 「目逸らさないで貴哉」 「無理」 「それと、力入れ過ぎだよ」 「それはお前が近過ぎるからだっ」 「近付かなきゃキスできないじゃん。そうだ、今度は貴哉からしてみてよ」 「俺から?」 「そ♡あ、サービスしちゃおうかな~♡」  サービスって何だ?早川はクローゼットを開けて何かを探して取り出した物を広げて見せた。 「じゃーん♡特別にセーラー服着ちゃうよーん♪」 「あ、お前それ」 「中西への誕プレ。貴哉が着て持って帰って来ちゃったから家にあったんだよね~。これで少しは女との練習になるんじゃね?」 「無理だろ」  俺の言葉なんか無視して着替え始める早川。  そんなの着たって男は男。俺の時だってみんな爆笑してたし。 「どう?空ちゃんの完成~」 「お前……」  何似合っちゃってんだよー!サイズはぴちぴちだけど、元々綺麗な顔してるからか不自然さは無かった。少なくても俺の時よりは…… 「女になれ!絶対女になった方がいい!」 「いいよん♪俺が女になったら好きになってくれるか?」 「だから嫌いじゃねぇって言ってんじゃん」 「そうじゃなくて、キス以上の事もしてくれるようになるかって意味!」 「は?いやいや、それは無理だろ!」 「はぁ、貴哉ってホント……」  いきなり溜息を吐いて、セーラー服を脱ぎ出しパンツ一丁になったかと思うと、俺の上に跨って覆い被さって来た。そして真剣な顔して俺に言った。 「あのさ!俺貴哉の事が好きなんだよね!友達としてじゃなくて恋愛感情の好き!中西と居るの見てるとイライラするし、貴哉に暴言吐かれると本気でヘコむし!貴哉も俺とキスとか出来るし少しは脈アリなんじゃないのって思うんだど!どう!?」 「何言ってんだよお前……」 「何って告白だけど!」 「ふ、ふざけてんならいい加減に……」 「ふざけてねぇって!本気で告ってんだ!」 「っ……」  目の前の早川は怒ってるような苦しそうな顔してた。え、告白って、男女が付き合う為にするやつだよな?ちょ、俺早川に告白されてる?なんで?  軽くパニックになってると、今度は悲しそうな顔をした。 「貴哉ひでぇよ。俺だって男を好きになるの初めてでどうしたら好きになってもらえるか分からなくて頑張ってんのにっ」 「嘘、だろ?なぁ早川……」 「嘘じゃない。好き。貴哉が好き。誰にも渡したくない」  一生懸命に想いを伝えてくれる早川に俺は何て声を掛けたらいいか分からずただ早川を見てた。  そして同時に思い出したくない過去が蘇り、早川から目を逸らした。  俺が高校の進路を変えた理由でもある出来事。  また繰り返すのかと悲しく、悔しい気持ちになった。  

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