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今付き合ってるって言った?
今日はもうあと一限で昼だと言うのに早川がまだ来ていなかった。あいつが遅刻とか珍しいけど、まさか朝中……直登が連絡するとか言ってたけど変な事言ったんじゃねぇだろうな?
後ろの席にいる直登に肩をトントンと叩かれて振り向くとクッキーを差し出された。餌付けか?
「クッキー食べるー?貰い物だけど美味しいよ~」
「食う。チョコのやつがいい」
俺が直登に餌付けされてると、周りにいたクラスメイト達が驚いた顔して見て来た。
まさか、一週間付き合う事になったのバレたのか!?
「何見てんだよ?」
「いやいや、お前らいつの間に仲直りしたんだよ?昨日あんなに言い合ってたのに」
「昨日貴哉が家まで来て仲直りしたのー♡」
「へー、秋山が……」
「でね、俺達付き合う事にっ」
「黙れクソが!」
クラスメイトにとんでもない事を言おうとしている直登の口を手で塞ぎ阻止した。あぶねー!
「え、今付き合ってるって言った?」
「違げーよ!付き合ってるみてぇに仲良くなったって言ったんだよなぁ」
「んーんー!」
そのまま直登を廊下まで連れて行く。
暴れてるけど、朝みたいな力はなかった。
「お前何考えてんだよアホ!」
「アホだなんて……俺、付き合うの隠すのとかやなんだけどっ」
「そんな事したら戸塚にバレるだろうが!」
「春くんには昨日電話で話したよ?応援するって言ってたし」
「はぁ!?何してんだよ!」
「言ったよね?春くんは俺が貴哉の事を好きなの知ってるって」
「それじゃあ俺の条件が不利になっちまうじゃねぇか!あ!ちゃんと戸塚には条件付きの付き合いだって言ったんだろうな!?」
「一週間ってのは言ったよ。貴哉が出した条件は言ってないけど」
「言う!俺は戸塚に話すからな!」
そうすれば直登と寄りを戻したい戸塚は俺の肩を持つだろう!急いで戸塚の所へ行こうとするが、今度はあの馬鹿力で腕を掴まれ直登に止められる。
「痛っ!」
「待ってよ。そんな事春くんに言っても無駄だよ。むしろかわいそうだと思うけど?」
「なんでだよ!」
「もう別れたのに、貴哉と付き合うって報告したのに、ダメでしたー、仕方ないから春くんのところ戻りますーって、春くん喜ぶと思うの?かわいそうなだけでしょ」
「分かんねーだろそんなの」
「とにかくダメ!貴哉は大人しく俺の側に居ればいいの!」
「うるせぇ!大人しくしてられるか!」
「おーい、貴哉ー?」
「げ!」
ここへもう一人の面倒くさいやつ、早川の登場だ。
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