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俺とは手繋げないの?
直登と放課後デート。デートって言っても普通にクレープ買って二人で食べてるだけ。いつもと変わらないように感じた。
ただいつもと少し違うのは俺と直登しか居ないって事ぐらいか。
「美味しかったね~♪また食べようね」
「確かに美味かったな。クレープって生クリーム入ってないのもあるんだな」
「生クリームの量も変える事も出来るんだよー」
「へー、知らなかった」
「さてと……」
お、帰るのか?これが一週間なら余裕だけどな。
直登は立ち上がって手を差し出した。
「貴哉行こう♡」
「ん?」
「手、繋ごう♡」
「手!?」
「恋人だったら手繋いで歩くのは当たり前だろ?」
「いやいや、それはさすがに……」
男と男が手を繋いで歩いたら変な目で見られるだろ絶対!てか直登と戸塚って手繋いで歩いてたのか?
「俺とは手繋げないの?」
「そうじゃねぇよ!人目もあるじゃねぇか!二人きりになったらいっぱい繋いでやるから!」
「へー、二人きりにね~」
直登が一瞬ニヤッと笑った気がしたけど、とりあえず手を繋いで歩くのを諦めてくれたみたいだからホッとした。
そしてしばらく歩いて行くと、バス停があったから直登が乗るバスの時間を調べてやる。
「ちょっとまだバス乗らないよー?」
「あ?だって帰るんだろ?」
「まだ帰らないよー。これから貴哉んち行くんだもん」
「家!?なんで!」
「だって二人きりになれば手繋いでくれるんだろ?」
「それはそうだけど!家じゃなくてもいいだろ?」
「彼氏の家に行きたいの~!」
駄々を捏ね始める直登、周りに見られ始めたから仕方なく連れて行く事にした。
あー、さっさと手繋いで早く帰ってもらおう。
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