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第79話

 勇気を出して噛んでもらったお陰で番同士にもなれていた。お医者様からも太鼓判をもらったし間違いない。 (これからはずっと一緒にいられるんだ。嬉しい)  琉麒の肩に顔を寄せて隙間なく抱きつくと、また触れあいたくなってきてしまった。彼に情熱的に愛されたここ数日間の情事を生々しく思い出しただけで、白露の分身が元気になってくる。  くっついている琉麒にももちろん気づかれただろう、彼は妖艶に微笑んだ。 「今日も天国に連れていってあげようか」 「ん……あ、でも、そろそろ琉麒もお仕事に戻らなきゃいけないんだよね?」  白露が発情期に入ったからと、琉麒は最低限皇帝が関わるべき仕事だけを短時間で終わらせて、後りの時間はずっと白露の側についてくれている。最初は無邪気に喜んでいた白露だったが、流石に七日もこの状態だと心配になってきた。  茉莉花の匂いで番を誘いつつも、彼の事情を案じる白露の視線を受けて、琉麒は苦笑しながら首を横に振る。 「普段から働きすぎなんだから、こういう時はしっかり休めばいいと太狼に送り出されたよ。虎炎も秀兎の失態を取り戻させてくださいと精力的に働いているし、本当に何も心配することはない」 「秀兎は何も悪くないよ、僕が勝手に出て行ったんだから。また先生をしてくれるといいんだけど」 「私からも頼んでおこう。だが今は、君を愛でるのに忙しい」 「あっ」  琉麒が白露の兆しはじめたモノを布の上からなぞりはじめた。たちまち頭の中は桃色な気分でいっぱいになる。  理性ではまだ真面目な話をしなくちゃと思っているのに、身体は正直なもので腰を琉麒の手に押しつけるような動きをしてしまう。 「待ってぇ、まだ話したいことが、あるっ、のにぃ」 「後でまた話そう。式の計画については、白露の意見を取り入れたいからね。でもそれは一旦忘れて、今は君のことを味わせてくれ」 「う、ゃあ、あん!」  少し触られただけで蕾から濡れた感触がするのが恥ずかしくて頬を染めながら俯くと、琉麒の熱を帯びた声が耳に吹きこまれる。 「積極的に快楽を追う君はとても魅力的だったけれど、恥じらう君もかわいいね」 「あ、やだぁ……」 「寝台へ移ろう」  その日も夜半まで愛されて、白露は甘い声を上げ続けた。  発情期の最初の頃のように強引すぎるくらい熱烈に抱かれるのもよかったが、涼やかな声に熱を滲ませながら、かわいい、好きだよ、もっとしてあげると甘やかされるのも素晴らしく気持ちがよかった。  とろとろになるまで奥を穿たれて、白露からもお返しにキスをしたりしながら熱い夜を過ごした。そうして白露の初めての発情期は収束を迎えた。

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