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第8話 女神の試練と出逢い ④

「いかがですか? 気持ちいいですか?」  唇で甘噛みをされると、鋭い刺激が脳天まで響き、ビクンと身体が揺れた。 「気持ちいいのですね。嬉しいです。ではもっといじめて差し上げましょう」  舌先でちろちろ舐められたかと思うと、次の瞬間はキュッと強く吸われる。  甘い刺激と強い刺激が不規則に雅成を襲う。 (気持ちよくなんてない……)  そう思うのに、 「気持ち……いい……」  胸を森本の口元につきだしてしまう。森本は右の乳首は口内で攻めたて、左の乳首は指で攻め立てる。  違う強さで違う触り方で違う攻め方。  それはまるで違う生き物に舐られ、強制的に快楽の中に引きずり込まれていく。 「どんな風に気持ちいいんですか?」  問いかけられ、 「乳首が、じんじんして……お腹の奥が……キュッと締まって……切ない……」  言わまいと思っていたのに、本当の気持ちが漏れてしまった。 「それはお可哀想に。しかしこれは儀式です。お腹の奥が切なくなっても、達するのを我慢してください」  これが儀式? こんなことおかしい。早く抵抗しなければ。早く逃げなければ……。  頭の中ではわかっているのに、心のどこかで身体はこのまま与えられる快楽に流されたいという雅成自身もいる。 「触れられただけで雅成様の楔は蜜を滲ませて……。舐めて差し上げればどうなるのだろう……?」  森本は呟くと、雅成のズボンと下着をずらした。  逃げようと思えば、森本を蹴り飛ばし逃げられた。  でも雅成はしなかった。正確にはできなかった。  大きく広げられた太ももの間にある楔に森本の顔が降りていくのを見ると、与えられるであろう刺激を求めずにはいられなかった。 「もうこんなに蜜を垂らして……。なんていやらしい楔なんだろう……すくい舐めて差し上げなければ」  吸い寄せられるように森本は、口を開け舌を突き出しながら楔から滲み出る蜜を舐めとろうとする。  が、すんでのところで動きを止め顔を離し、代わりにサイドテーブルに置いていたシルクの布に、小瓶の中からどろっとした液体を染み込ませる。 「雅成様。媚薬入りの液体を染み込ませた布です。この布で攻められると、少々お辛くなると思いますが、お許しください」  言い終わらないうちに、森本はシルクの布を雅成の楔の上に広げ、布の先を楔の先端に押し擦りながら左右に動かし始めた。

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