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第9話 女神の試練と出逢い ⑤
「ひいぃぃぃ……ッ!」
今まで感じたことのない快楽が楔から全身に広がり、雅成は背中を弓形に反らせる。
布が楔を押し擦るたび、雅成は脳天まで貫かれる快楽に、啜り泣いた。
だがイキそうになると、森本はピタッと手を止める。
(どうして?)
断続的に止められる動きは、雅成の中にある熱い塊をより大きくさせた。
押し擦られ、手を止められ、また押し擦られる。
(イキたい!)
どうしようもない欲求が、爆発しそうになり、雅成は無意識のうちに自分の楔に手をやった。
「それはしてはできません」
楔を握ろうとした手を、森本に掴まれる。
「これは神聖な儀式です。自慰しようとするはしたな行動は許されません」
きつい口調で言われ、自分が今、無意識とはいえ、しようとしていたことを見破られ羞恥に襲われる。
「ごめんな……さい……」
自然と流れてきた涙を、森本が拭う。
「雅成様。イキたいですか?」
優しく森本が雅成の頭を撫でると、雅成はコクンと頷いた。
「彼の方以外の手で、雅成様が射精することは許されていませんが、これなら射精せずに達することができます」
森本はポケットから指2本分ほどの幅のあるシリコン素材のリングを、取り出した。
「失礼致します」
できるだけ雅成の楔に手が触れないように、森本はリングを楔の根本につけた。
「コックリングがあれば、射精管理ができます。思う存分達してください」
森本は先ほどよりも力を強めて、押し擦る。
滲み出した蜜と媚薬とシルクの滑らかさが混ざり合い、強烈な刺激が全身を駆け巡る。
同時に口で乳首を吸われ、目の前に火花が散った。
「やッ……だめ……っ、イく……イっちゃう……ああっ、ぁぁ——ッ」
叫声をあげて雅成は達した。
だが蜜は発せられておらず、吹き出そうとしていた熱い塊は楔から逆流し、体内で渦となる。
楔の先からは、リングで楔の根本を締められても溢れてくる蜜が、雅成の楔の裏筋をつたう。
「お願い……イカせて……」
訴えるが、
「いけません」
森本は布を擦る動きを止めない。
その間、雅成はイキたいのにイケない苦しみをの中にいる。
「気持ち、いい……イキたい……イカせ……て、んっ、くうぅぅん……」
喘ぎ口角からは唾液が流れる。
雅成から醸し出される、綿菓子のような甘い香に、儀式の掟を守らないといけない役割の森本の理性は限界にきていた。
「ああ、なんて美しい。穢れのない雅成様。我らの女神……」
森本の指が、雅成の蕾に触れそうになった時、
「そこまでや」
どこからともなくスピーカーを通したような、嶺塚の声がした。
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