「こっちに来て」 　拓海はベッドの真ん中くるように、雅成を誘った。 「雅成はどこが穢れてしまったと思っているんだ？」 　あるところ以外、全て穢されてしまっている。 「それは……」 　雅成が口篭っていると、 「ここ？」 　拓海が雅成に触れるだけの口付けを何度もした。 　口付けが次第に下に降りていき、 「ここも？」 　乳首にキスをする。 「あっ……」 　 　触れられただけのキスなのに、身体が震えるように気持ちよかった。 　またキスが下に下がっていき、 「それからここも？」 　楔の先端にキスをされた。 「は、ああぁぁ……ぁぁ……ッ」 　ずくんと奥から煮えたぎったものが込み上げてくる。 　拓海は「ここも？」「ここも？」と言いながら頭の先からつま先まで、丁寧にキスをした。 「雅成が穢れてしまったと思うところ、全部俺が上書きしてやる。過去に何をされたか、記憶の片隅にも残らないぐらい、俺でいっぱいにしてやる。愛してるよ、雅成……」 　今度は深い深い口付けをした。 　拓海の舌と舌を絡み合わせると、魂が浄化されるような気がした。 　 「ン……くぅぅ、ﾝﾝ……」 　鼻から吐息が漏れる。 　息ができず苦しいはずなのに、口付けをやめたくない。 　雅成が拓海の体により密着させると、拓海は雅成の後頭部に手を忍ばせ、より引き寄せる。 　互いの唾液が混ざり合い、口角から流れた。 　息が絶え絶えになり、頭が真っ白になった時、拓海は雅成の口内から、舌を抜いた。 　混ざり合った唾液は糸のように、二人を繋ぐ。 「愛してる、雅成……」 　囁き、拓海は雅成に付けられていたコックリングを外した。 　リングを外された楔はドクンと脈うち、今にも蜜を解き放しそう。 　 　拓海が楔を口に含んだ瞬間、身体の中で行き場をなくしていた蜜が、拓海の口の中で断続的に弾けた。 「ふあぁああっ……ああぁぁ……っ！」 　身体が宙に浮き、どこかに行ってしまいそうになる浮遊感。 　拓海は雅成の蜜を全て口内で受け止め、煌々とした表情で嚥下する。 　じゅるりと最後の一滴まで吸い上げられると、全身が爆発してしまうぐらいの悦楽が襲いかかってきた。 　全てを飲み干した拓海は、口角から流れ落ちそうになった蜜を手の甲で拭い、それすら舐めとった。 「雅成の蜜は、甘くて甘くていつまでも堪能していたい……」 　拓海がまた楔を口に含みそうになった時、雅成は力を振り絞り、それを阻止した。