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第16話 動物園 ①
雅成が女神になって二年が経った。
女神となった雅成は闇のオークションが開催されるたび、金で買われ、客に蜜を堪能される。
買われる金額によっては、蜜を堪能されるだけではなく、楔以外にも触れられたり、さまざまな道具を使い快楽攻めにされたりもする。
だがここで、客には決して破ってはいけない掟がある。
『雅成か会長である嶺塚から許しがないと、『口付けをしてはいけない』『挿入してはいけない』『フェ◯させてはいけない』
雅成の中で射精など論外だ。
もしこれらを破ると社会的に抹殺されるか、実質的に抹殺されるか、そのどちらもかが執行される。
これらは破られたことはないが、破ろうとした者は、社会的に再起不能となっていた。
女神は神聖な者で、身体を許し交われる者はたった一人の選ばれた伴侶のみ。
伴侶以外の者に犯されてしまうと、能力が失われてしまうと言われている。
伴侶だけは口付けも挿入も中での射精も、女神を傷付けない限り、全て許される。
雅成の伴侶。
それが血の繋がらない義理の兄、『嶺塚拓海』だ。
愛し合っている二人。
拓海と出逢い、身も心も愛される。
たくさんの客の前で抱かれ、金で買われる女神に強制的にさせられたとしても、幸せだった。
愛する拓海が伴侶だったから。
愛する拓海のそばにいられたから。
愛する拓海に身も心も愛されたから。
だが苦しくもあった。
それは嶺塚にキツく言われていた約束、『拓海への気持ちを決して口に出してはいけない』があったから。
これを破れば、拓海との引き離され、二度と会うことも、一目見ることもできなくなる。
雅成は商品だから。と。
雅成は拓海への気持ちを胸の奥底にしまいこみ、初めて身体を重ねた後すぐ同棲が始めた。
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