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第24話 動物園 ⑧

 食後、近くの売店で売られていたバニラ味のソフトクリームを食べようとなった。  気候がよく暖かかったせいか、クリームの溶けが早い。  溶ける前に食べ切ろうと、雅成はソフトクリームを上からかぶりついたり、下から舐め上げたり。  それでも白いクリームが溶け、口角や手首を伝う。 「雅成、エロい顔で食べるな」  雅成の姿を誰にも見られないよう、拓海は自分の体で隠す。 「ふぁっへ、ほへる……」  クリームを舐めながら雅成が反論するが、何を言っているかわからない。 「え? なんて?」 「ふぁはら、ほへる……」 「なんて? ちゃんといってくれないとわからない」  拓海は雅成の手からソフトクリームを取り上げる。 「も〜。だから、溶ける。っていったの。アイス返してよ〜」  取り上げられたアイスを取り返そうと、雅成はアイスに手を伸ばすが、 「雅成がそんなエロい顔しないと食べれないなら、溶ける前に俺が食べる」  拓海はアイスを持つ手をさらにあげる。 「ひどい! 僕のアイス!」  そんな事を二人でしている間にも、アイスはどんどん溶け、溶けたアイスが拓海の手から腕へと流れてきた。 「あ! 僕のアイス!」  拓海の腕に流れてきたアイスを、雅成が下から舐める。 「ん? なんだか甘さの中にしょっぱさもある。途中か塩アイスになるのかな?」  雅成はまた一舐めして、少し塩味がするのに首を傾げたが、 「あ! わかった。塩味は拓海の汗とアイスが混ざったから、味が変わったんだ! 僕、こっちの方が好きかも」  雅成が美味しそうに溶けたアイスと拓海の汗を味わう。 「!! ま、雅成! やめろって」  逃げようとする拓海を雅成が抱きついて阻止する。 「だって美味しいもん」  またペロリと舐めようとした時、視線を感じる、あたりを見回すと、 (!!)  イチャつく雅成と拓海の周りに、頬を赤らめた人だかりができていた。  自分が今している事を脳内で振り返り、客観的に見ると、雅成の顔が恥ずかしさで真っ赤になる。 「な、だからやめろって言ったんだ」  頬を真っ赤にして俯いた雅成を、アイスを片手に拓海が抱き上げ、 「そういうことは、二人っきりの時にしてほしい」  雅成の耳元で囁いた。

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