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※ 第10話
ふらつくスートの腕を引き、近くのホテルに場所を変えた。
ブラウンと白で統一された清潔なベッドの上に強引に座らせる。
「ぁの深水さ……っ、……んぐっ……!」
うろたえるスートの顎を引き、口内に舌をねじ込んでねっとりと中を掻き回す。
メロンとバニラの香料が入り混じる甘い匂いと味がした。
「気持ちいいですか?」
とろんとし始めた瞳がおぼろげに僕を映す。
「……あの深水さ……っ」
「何ですか?」
「……いえ……」
逃げるべきか否か?そんな顔をして横を向くスートの白いシャツの裾をめくった。
ブラウンのサッシュベルトを外して、ベージュのスラックスのジッパーを下ろす。
開いた隙間から手を差し込んで、腰に直接手を回した瞬間、なすがままになっていたスートが、いきなりバッと離れた。
「……どうか?」
「……い、え、そのっ……、シャワー、そうシャワーを、浴びたいです……!」
目に正気が戻りつつある。
「……どうぞ?」
にっこり笑んで促すと、スートはつんのめりそうになりながらユニットバスに消えた。
無駄な抵抗をする子兎みたいに。
シャワーを終えたスートは、備え付けのオフホワイトのバスローブをまとって現れた。
僕に近づこうか離れるべきか、逡巡して視線が定まらないその体を、無言でベッドに引きずり込む。
「待っ……! あの俺っ……、くっ……」
ジタバタともがく四肢を押さえ込み強引に唇を塞ぐ。
口唇を舌で舐め回すとすぐに動きが鈍くなり出した。
自分で言うだけあって、本当に唇が弱いらしい。
「う、……ぅくっ……、」
苦しげに眉を寄せるかわいい顔を拝みつつ、バスローブの割れ目から太ももに手を触れた。
下着を下ろそうと探った。けれど、見つからなかった。
スートは上下とも、下着をつけていなかった。
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