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第17話

「互いに4枚づつ出したのに、深水さんには(ワンド)(ソード)で、俺の方には聖杯(カップ)金貨(ペンタクル)って。くっきり二種類づつに分かれましたよ! 凄い!」 凄い凄いとはしゃがれてもこっちはポカンだ。 「しかも深水さんはワンドもソードもエースとキングで、全部正位置です! いいなー、かっこいい〜〜!」 ぜんっぜん分からん。 「ワンドは力強さや活力、パワフルさを表していて、ソードは判断力や情報、知性に長けていることを示すんですけど、キングとエースはその中でも特に意味合いが強いんです。さすが深水さんですね!」 「へえ──…、そりゃよかった」 よく分からんが、スートが嬉しそうなので乗っておく。 「そっちはどうだよ。えーと?聖……カップの3?とクイーン? あと、ペ……金貨の8と2」 「カップの3は良好な友達関係などですね。クイーンは正位置なら良かったんですけど、逆位置なので、情に流されやすいとか、気が弱いとか……。ペンタクルの8はコツコツ型。2は、日々の諸事をなんとかやりくりしている感じです……何というか、俺のは全体的に地味ですね」 でもまあ合ってるな。とは言わずにおいた。 占いも案外バカにできないものだな。 「それでは深水(ふかみ)さん、何を占いたいですか?」 「何だっていい。スートが決めろ」 すまないが全く興味がない。 「そうですか? でしたら、その──」 スートは肩をすくめると、 「ふ、深水さんと、これからどうなるかって占ってみても、いい、ですか……?」 などと言って、上目遣いをして頬を染めた。 「……おう」 するとこちらも落ち着かなくなる。どうも変な気分だ。

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