10 / 11

第10話 別れる覚悟

「ンッ……ハァ……」  永吉の右手が浴衣越しに樹の胸を弄る。そんな所、弄られてもと思ったが、永吉にされてると思うとドキドキして変な声が漏れた。  その声に、永吉も興奮した顔を樹に見せる。 「ゆ…浴衣……脱がすの?」  はだけた浴衣に気付いた樹は、恥ずかしさのあまり永吉にそう聞いてしまった。すると、永吉はニカッと笑って大丈夫と言った。 「え? あぁ。大丈夫、俺着方分かるから崩れても直せる」 「そ、そうなんだ……すごいね」  樹はなんで今そんな事を言ってしまったのか後悔した。その言葉に、永吉が手を止めたらと心配になったのだ。でも、そんな心配はいらなかった。  永吉は手を止めず、樹の浴衣の襟合わせを掴むと下にズルッとずらした。 「っ……」 「エロ……」  露わになった樹の上半身を見て、永吉が顔を真っ赤に染めた。そして、小ぶりな乳首に唇を寄せる。 「ンンッ……」  チュッと吸われ、ペロッと舐められる。その強弱がもどかしい。  でも、永吉は樹のその反応を楽しんでいるかのように、更に器用に動く。  自身の身体をグイッと入れた永吉は、樹の下肢を開き、下着の上から樹のペ◯スを優しく触った。そして、ズルズルっと下に下げ、樹の下肢を曲げる。 「えっ、永吉ッ! この格好嫌だよ!」 「駄目。そう言われても辞めない……可愛いよ」 「うー……アッ!」  永吉はそう言うと、露わになった窄まりに顔を寄せ、そこを舐めた。その瞬間、樹は驚きのあまり大きな声を出してしまう。 「アッ…ダメッ……そんなぁ……ぅ」  ペチャッピチャッと音が聞こえた。  永吉がそこを唾液で濡らすのが、その舌と音で分かった。  樹は自身の腕を噛み、声を我慢し、永吉がそこを舐め終わるのを待つ。 「これくらいで良いのかな……」 「え……?」  顔が離れ、ようやく永吉の顔がちゃんと見えた。すると、永吉が自身の唇を袖で拭いそう言ったのが聞こえた。 「俺、した事ねーから分かんねーんだよな……。痛かったらごめん……」 「永吉……した事ないの?」  樹は永吉が童貞と聞いて驚いた顔を見せる。あんなにモテるのに、永吉はまだした事がなかった。 「ないよ。俺、恋もした事ないんだぞ。お前が初めて」 「!」 「お前は……? した事あるのか?」  心配そうに見詰めてくる永吉に、樹は自然と笑みが零れた。そして、樹は永吉に自分も初めてだと告げる。  その言葉に永吉は一瞬だけ止まり、ホッとした顔を次に見せるのだった。 「なら、お互い初めてなんだな」 「うん。僕もこんな風に人を好きになったの永吉が初めてだから……全部初めてだよ……」  恋もセ◯クスも全て初めて。だから……。 「痛くても平気」  樹はそう言うと、永吉の首に巻き付いた。そして、身体をピッタリと密着させ下肢を寄せる。その行動に永吉の身体がまた一瞬止まる。でも、それはほんの一瞬で、止まった身体を動かしたら次は早かった。 「ングッ……アアッ---」 「ハァ…キツ……っ」  永吉のペ◯スが中へと挿入された。そして、樹の中へと進んでいく。 「い…つき……」  その痛みに樹は息を止めたが、その痛みさえ味わっていたいと思うほど、樹は永吉を欲した。  この痛みも思い出になってしまうのかと思うと、もっともっと痛くして欲しいと願ってしまう。  でも、永吉は優しかった。樹の身体を労わり優しく丁寧に動いてくれた。そして、永吉の腰の動きが激しさを増し、樹は永吉に何度も何度も囁いた。 「えいきち……っ。好き……好きだよ……っ」  どうか、この夏を終わらせないで。 「俺も…すきだ……っ」  永吉の見詰める相手がこのまま自分でいて欲しいから。  どうか……。 「ンッ! アアッ---ッ」  樹は永吉の熱を身体の中で受け止めて、自らもその熱を感じ、白濁を出した。  汗ばむ身体。荒い吐息。  そして、頬に当たる金色の髪。  樹はようやく永吉と別れる覚悟ができた。  花火が終わり、祭りの明かりも消えて行くのと同じように、樹の恋も終わりを告げた。

ともだちにシェアしよう!