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懇願1*
ジェラルドに手を引かれ寝台へと上がった。ずっと夢で願ってきたのにレオネは緊張と興奮で頭がクラクラしていた。
ベッドに仰向けに寝かされると再びジェラルドのキスが降ってくる。優しいキスに酔いしれているとシャツのボタンにジェラルドの指がかかり、レオネはハッとしてその手を掴んだ。
「ジェラルド、すみませんっ……あ、痕が残ってて……不快だと思いますのでこのままでも……」
ジェラルドが眉をひそめる。レオネの手首を取ると袖を少し捲った。
「これだけじゃないんだな」
「……すみません」
「君が謝ることじゃない。全部確認したい。ダメか?」
レオネは一瞬迷ったが静かに頷いた。
ジェラルドの手によりボタンが一つ一つ外されて行く。素肌が晒され、それを見たジェラルドがギリッと歯を鳴らした。ジャンがつけた痕はレオネの身体中に存在していた。ジェラルドの顔がどんどん険しくなり、レオネはジェラルドへの申し訳無さと悔しさで息が出来ないほど苦しくなった。涙が目尻からこめかみへと流れる。
「レオネ……怖かったな……」
レオネが泣いているのに気付いたジェラルドが瞼にキスを落とす。
「レオネ、もう誰にも触れさせない。私が必ず君を守るよ。これからの人生、必ず君を幸せにする」
ジェラルドに真剣な目でそう告げられレオネの目からさらに涙が溢れだした。
「ジェ、ラルド……!」
これからの人生ずっと一緒にいられる。愛する人に望まれて側にいられる。こんなにも未来が明るく輝いて見えたことはこれまであっただろうか。
生まれたままの姿になったレオネにジェラルドは何度も優しいキスを繰り返してくれた。レオネの肌を柔らかに撫で、その手がゆっくり滑りレオネの胸に触れた時。
「んっ……!」
幸せな気持ちから一転、レオネの喉から勝手にうめき声が出て身体がビクッと震えた。
(な、なんで?……どうしよう……怖い……!)
相手がジェラルドだと頭では分かっているのに、身体が勝手にあの日の記憶を呼び起こす。ガチガチと歯が鳴る音も漏れ出た。レオネは顔をそらしきつく目を閉じて耐えようとした。
「レオネ。私を見ろ」
ジェラルドが震えるレオネの頬を撫で、反らしていた顔を自分の方へと向かせる。レオネが目を開けるとジェラルドの黒い瞳がそこにあった。
「ぁ……ジェラルド……」
ジェラルドがレオネの目尻に溜まった涙を拭ってくれる。今自身が横たわるのは園芸小屋の藁束の上ではなく、ジェラルドの命で屋敷の皆が用意してくれたレオネの真っ白な寝室。
全裸の自分と対比するようにカフスボタンまでしっかり留めたシャツとベスト姿のジェラルドがレオネの横に座りレオネの顔を覗き込んでいた。
「レオネ、よく見て。誰が君に触っているのか」
ジェラルドの言う通りに目を閉じずにジェラルドを見つめた。ジェラルドもまたレオネを見つめていた。
「……あの男に、キスはされた?」
ジェラルドが躊躇いながら聞いてきた。
「わ、わからない……意識無かった時、されたかも……」
レオネの目から再びブワッと涙が溢れる。
「ん……。記憶に存在しないなら、君がキスした男は私だけだ。私との感触だけ覚えていればそれでいい」
ジェラルドにやさしく、だが強くそう断言されて、レオネは『ああ、それでいいんだ』と素直に納得できた。
再び柔らかく唇を喰まれ、舌で唇の合わせをなぞられて、身体の緊張が溶けていく。
「んぁ……」
「蕩けた目をしてる……」
ジェラルドが微笑みながら優しく囁き、レオネの目を見ながら胸の突起に舌を這わせた。赤い舌が薄紅色のそれを弄ぶ。その様子を言われた通り目で追っていたレオネはもう震えることはなかった。
「はっ……はぁ……」
黒い瞳がレオネの反応を逐一確認し、レオネも目を離さずにそれを見つめていた。大好きなジェラルドに自身の胸を舐められている。それを目の当たりにすると身体の内側がどんどん疼いてくる。
「あっ……あんっ……ジェラルドっ……」
「気持ちいいか?」
レオネは恥ずかしくて頷くのが精いっぱいだった。
ジェラルドはレオネの片方の乳首にきつく吸い付き、もう片方も指で摘みクニクニと押し潰し始めた。
「あんっ! あっ、あっ、あっ」
レオネの口から耐えきれず喘ぎが漏れ出てしまう。
「前より感じ安くなってる。自分で触ってたな?」
「だっ、だって……我慢できな、くて……」
レオネは涙目で素直に白状した。ジェラルドはフーッと息を吐き言った。
「ああ、想像するだけでたまらないなぁ……」
ジェラルドが欲情しきった目でレオネの身体を見てくる。
ジェラルドはレオネの胸筋の膨らみを舌でなぞり肌をきつく吸い上げた。白い肌に紅く鬱血の痕が付く。ジャンの痕跡を覆い隠すようにジェラルドは至る所に痕をつけていく。チリッとする痛みすら快感に感じ始め、レオネの中心は隠しきれないほど固く勃ち上がっていた。下肢へと降りていったジェラルドの舌がペロッとその先端を舐める。
「あんっ!」
ジェラルドはレオネの脚を大きく開かせ内腿にも舌を這わせて吸い上げる。さらにそこをきつく噛んだ。たぶんそこにもジャンが残した痕跡があったのだろう。
するとジェラルドは顔を上げてフゥーと深く息を吐き、服を脱ぎ始めた。サスペンダーを外し、シャツも脱ぎ眼鏡も外す。ジェラルドの分厚い筋肉に覆われた上半身をレオネはうっとりと眺めた。
裸になったジェラルドはレオネの脚の間に戻ると、指を嘗め濡らしレオネの後孔に触れてきた。
「んっ……!」
「ああ、キツイけど前よりは柔らかいな。ここも自分で?」
ジェラルドが中で指を動かしながら聞いてくる。
「んぁっ、き、聞かないで……くださ……」
もう恥ずかしすぎてどうにかなりそうだ。そんなレオネをジェラルドが薄っすら笑いながら見つめてくる。
「指、二本にするよ。痛かったら我慢しないで言え」
「んっ……はぁあっ!」
押し入ってくる二本の指。ジェラルドの指は太く圧迫感はあった。だが優しい動きに痛みは感じない。
「い、痛くない……ですっ」
「ん、いい子だ」
そしてジェラルドの長い指はレオネの中にある一点を刺激し始めた。
「あっ! あん! だめっ、そこだめっ!」
レオネは刺激に耐えられず身体をビクビク震わせた。
「ここ、良くない? 本当にだめ?」
ジェラルドが優しく聞いてくる。レオネが身体を震わせるのに合わせて、勃ち上がったレオネの中心部分もビクビクと揺れ、先端からは蜜を零していた。
「あっあっ、で、でちゃ……うっ」
「ん、もうちょっと我慢して」
ジェラルドはレオネの蕾を指で刺激しながら、こに顔を寄せその淵をさらに嘗め濡らし、レオネの竿下の袋にも舌を這わせてくる。
「んんっ! ジェ、ジェラルド……!」
恥ずかしさすら強烈な快感になりレオネは蕩け切っていた。
「後ろ、指三本入ってるのわかるか?」
いつの間にか増やされていた指でジェラルドがレオネの蕾を弄りながら確認する。
「あっ、あん、わ、わかんな……い……」
「凄く柔らかくなってきた。……蕩けてる」
ジェラルドが優しい囁きに脳が痺れていく。レオネは耐えきれずジェラルドに懇願した。
「ジェ、ジェラルド……もう、もう来てください……」
レオネの蕾から指が引き抜かれた。
「ああ……私も、もう耐えられん」
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