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[42] 懇願
レオネと同じく全裸になったジェラルドがレオネの脚を広げさせその間に座る。手には平たい缶を持っていた。
「何も用意せず帰ってきてしまったから、これも商品見本で悪いんだけど」
ジェラルドの缶を開けて中身を指に取る。
「南国の木の実から取れる油でね。肌の保湿に使うって聞いてるから、使えるはずだ」
そしてその植物油脂をレオネの秘部に塗り付けてきた。
「あっ……!」
そのまま油をまとったジェラルドの中指が蕾を割り押し入ってくる。
「んんんっ……!」
「ああ、キツイけど前よりは柔らかいな。ここも自分で?」
ジェラルドが中に油を塗り込むように指を動かしながら聞いてくる。
「んはぁっ、き、聞かないで……くださ……」
抗議の意味で睨むがジェラルドは余計にニヤリとするだけだった。
「指、二本にするよ」
ジェラルドが宣言と同時に中指を引き抜き、薬指と合わせて再び入って来ようとする。
「あ、ま、待って……!」
レオネは急に怖くなった。
ジェラルドが動きを止める。
「ゆっ、ゆっくり、して……」
ジェラルドに懇願する。ジェラルドは二本の指で蕾の縁をクルクルと撫でながら聞いてきた。
「あの男もここに触れた?」
心臓がキュッと締め付けられる。レオネは戸惑いながらも頷いた。
「ゆ、指入れられて……痛くて……」
「わかった。痛くしないよ」
ジェラルドは優しく言うと指二本をゆっくり慎重に入れて来た。
「あっ、あ……」
「痛かったら我慢しないで言え」
ジェラルドの指はジャンよりも太く、あの無理やりの時よりも格段に圧迫感はあった。だか優しく入れられ優しく動く指に痛みは感じない。
「い、痛くない……です」
「ん、いい子だ」
そしてジェラルドの長い指はレオネの奥のある一点を刺激し始めた。
「あっ! あん! だめっ、そこだめっ!」
レオネが途端に喘ぎだす。腕を縛られているので大きな抵抗は出来ず、身体をビクビク震わせその刺激に耐える。
「ここ、良くない? 本当にだめ?」
ジェラルドが微笑を浮かべながら聞いてくる。レオネが身体を震わせるのに合わせて、勃ち上がったレオネの中心部分もビクビクと揺れ、先端からは蜜を零している。
「あっあっ、イイけど……っ、で、でちゃ……うっ」
「もうちょっと我慢して」
ジェラルドはレオネの蕾を指で刺激しながら、レオネの竿下の袋に舌を這わせる。
「んんっ!ジェ、ジェラルド……!」
恥ずかしさすら強烈な快感になりレオネは蕩け切っていた。
「後ろ、指三本入ってるのわかるか?」
いつの間にか増やされていた指でジェラルドがレオネの蕾を弄りながら言う。
「あっ、あん、わ、わかんな……い……」
「凄く柔らかくなってきた。……蕩けてる」
ジェラルドが優しい声で囁く。
レオネは耐えきれずジェラルドに懇願した。
「ジェ、ジェラルド……もう、もう来てください……」
レオネの蕾から指が引き抜かれる。
「ああ……私も、もう耐えられん」
油で滑るそこにジェラルドの先端が押し当てられた。ぬるぬると亀頭で蕾をまさぐられる。
「んはぁ……」
ずっと待ち望んでいた愛する彼の感触にレオネはそれだけで射精してしまいそうだった。
――だが、
「んっ……!」
ジェラルドがグッと押し入りようとした時、あまりの大きさにレオネは驚いた。指とは全く違う質量と圧迫感を伴い、メリメリと肉を割り開くようにその怒張が侵入を試みる。
「くっ……やっぱりキツイな……」
ジェラルドが息を詰めて呟く。眉を寄せ、苦悶の表情を見せる。
レオネは固定された手首から延びる太い紐に指を絡ませ掴んだ。目を開けて見ろと言われたのに耐えきれず堅く目を閉じ、顔を反らしなんとかこの苦しさを乗り切ろうとした。
「すまん……。慣らしが甘かった。一旦抜くぞ」
ジェラルドがそう言って腰を引こうとする。
「ま、待って! ダメっ! 行かないでっ!」
レオネが声を上げる。同時に腕に力が入り天蓋が軋む。
「お願い……ですっ。このまま……、割けても良いから……!」
レオネの目から涙が溢れ出す。
「レオネ、焦らなくていい。これからゆっくり慣らした行こう」
ジェラルドが優しく諭すように言う。でもレオネは引かなかった。
「い、嫌ですっ! ジェラルドと、ちゃんとっ、つ、繋がりたい……!」
この一年半は初めての夜に身体を繋げなかった事を悔み続けた日々だった。あの二の舞いにしたくない。ジェラルドは愛してると言ってくれたが底しれぬ不安がまだレオネの奥底には存在している。もしかしたら全て夢なのではと思うような不安感だ。
「お、お願いです……。ジェラルドっ、貴方のを私の中に、注いで……」
レオネを押し広げている肉塊がドクンと脈打った。
「んぁっ!」
「君はっ、そうやって煽るから……!」
ジェラルドはもう一度油脂が入った缶を拾い、中身を掬うと二人が結合している部分に塗り足した。そしてレオネの折り曲げて縛られていた左脚の紐を解き、両腿を尻側から撫でまさぐる。若干レオネの強張りが解かれたのを見計らい、ジェラルドはレオネに挿入している切先をゆるゆると動かし始めた。
「んっ、んっ……」
圧倒的な圧迫感はほぼ変わらず、レオネは苦しさに必死に耐えた。レオネの中心部分はすっかり萎えて縮こまっているっているが、レオネの心情は喜びと期待に満ち溢れていた。
レオネは腕を縛られたままジェラルドを見上げる。野性味ある雄らしい身体と顔。赤くなった耳と首筋がレオネに興奮していることを表している。結合部分を確認しながら腰を揺らしていたジェラルドの目線がレオネの身体を下から舐めるように上がってくる。
「レオネっ、いいんだな? 君の中にっ」
ジェラルドか息を荒げて言ってくる。レオネは必死に頷いた。ジェラルドの動きが少し乱暴になり、亀頭が肉輪をぐちゅぐちゅと出入りする。レオネはそこを壊されそうな恐怖心に耐えた。
「くっ……」
レオネのその入口付近でその怒張がドクンと脈打ちジェラルドが息を詰めると、熱いものが腹の中にビュルッと流れ込んで来た。
「あぁっ……!」
中に出されている事実にレオネの胸は歓喜した。ジェラルドの苦悶の表情を目に焼き付けるように見つめる。
やがて先端を中に収めたままジェラルドはレオネに顔を近づけてきた。身を屈められ結合部分が少し深くなる。しかしジェラルドの中心部分は達した事により柔らかく体積が減ったようで圧迫感が軽減されていた。それでもレオネのそこは敏感に反応してしまう。
「あっ……んっ……」
小さく喘ぎ声を漏らしたレオネにジェラルドが優しくくちづけをした。
「レオネ……愛してる」
そう囁きジェラルドは手を伸ばしレオネの腕の赤い紐を解く。
ジェラルドは紐と言うか縄の痕が付いた手首にもくちづけを落とす。レオネは幸福感にうっとりとしていると、ジェラルドがレオネの腕を自分の背中に回すように促してきた。
「爪、立てていいから」
そうレオネの耳元で囁く。レオネはよく意味がわからないでいると、レオネの腹の中に入ったままのジェラルドの中心がさらに奥へと突き進んできた。
「ひっ! ああぁぁっ!」
不意を突かれた侵入に緩んだそこはかなり奥まで受け入る。
「んっ……、痛いか?」
「はっ、ジェラルドっ! 苦しっ……」
レオネはジェラルドが射精したことで終わったものと思っていたが、ジェラルドにそんな気は更々無かったようだ。
幾分か嵩が減ったことにより、一番太くエラが張った部分が肉輪を通過し大きな痛みは感じない。それでもかなり大きく、しかも刻々とその嵩は先程の体積に戻りつつありレオネの内壁をミチミチの広げてきている。
「ぜ、全部……入った……?」
レオネが恐る恐る聞く。ジェラルドは微かに笑うと「あともう少し……」と囁き更に奥へと入ってくる。
「んぁっ、あああぁぁぁ……!」
そのまま口から出て来てしまうのでは無いかと思うくらいジェラルドのそれは太く長い。やっと尻たぶにジェラルドの腿が当たった。
「……全部、入ったよ」
ジェラルドが囁く。
「ん……あ……おっきぃ……!」
「……すまん。君の中に居ると思うとそれだけで興奮してしまう……。それに君の中は凄くいい……」
ジェラルドが恍惚とした表情でそう言ってくれ、レオネは苦しさの中で悦びを感じた。
ジェラルドがレオネに覆いかぶさり胸を密着させ、キスをしてくる。入れられたまま貪るように唇を吸われ、舐められる。
中が馴染んで着た頃を見計らい、ジェラルドが腰を揺らしてきた。先ほどとは違う大きなストロークで中に放ったものを内壁に塗り付けてくる。
「んっ、んっ」
ジェラルドの背中に手を伸ばし必死に動きに付いていく。腹の中全部を掻き混ぜられるようだ。するとジェラルドはレオネの感じやすい場所を大きくえぐってきた。
「はあっ! あん! そ、そこっだめっ!」
普段指先でくすぐる程度の刺激で快感得てきたそこを、ジェラルドの剛直がゴリゴリと刺激してくる。
「ん? いいか?」
だめと言ったのに全く聞く気がないジェラルドは執拗にそこを突いてくる。
「あん、あっ、あっ、はあぁん……!」
レオネの中心は完全に硬さを取り戻し、ジェラルドと自身の腹に挾まれた状態がさらなる快感をもたらしていた。
「あんっ! で、出ちゃう……っ」
「ん、良いよ。出してごらん」
ジェラルドが耳に直接囁きを送って来た。それが決め手となった。
「あああんっ! ジェラ、ルドぉ……!」
レオネのペニスから勢いよく精液が飛び出て、ジェラルドとレオネ両方の腹を濡らす。それと同時に中のジェラルドをきつく締め上げてしまった。
「くっ! 持ってかれるっ……!」
ジェラルドも低く呻くと身体を震わせた。レオネは再び身体の中で熱いものが弾けるのを感じた。
はぁはぁ……と二人の乱れた息が重なる。ジェラルドが優しくレオネにキスをして囁いた。
「レオネ、愛してる。もう君は私のものだ」
レオネは潤んだ瞳でジェラルドを見つめて言った。
「ジェラルド、私も、貴方を愛しています」
目尻から涙が幾すじも溢れ伝い、金の髪に吸い込まれていった。
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