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桃色流星群7

「俺らサッカー部のとこ行ってくるわ」 「俺たちはテニス部のやつらと足湯」 清水くんと松村くんが出て行って、凛くんと轟くんも出て行った。 四人とも僕らと友達だけど、当然他にも友達がいて。部活と縁がないせいかそういうのがどこか不思議に感じる。 「じゃあ亜樹、俺らも行く?」 「うん。そうだね」 できるだけ荷物を少なめにして僕らはこっそり部屋を出た。 幸いにもお風呂へ通じる廊下は人通りがなかった。いくら荷物は少なめと言ってもお風呂だとわかってしまうだろうからよかった。 廊下は薄暗く、しんと静まっている。 若干すり足と駆け足で僕と颯太は風呂場へたどり着いた。ドアを閉めると二人同時に息を吐いた。 「任務完了って感じ」 「緊張した……」 「思いきり悪いことだもんね」 「い、言わないで……」 すぐ罪悪感が湧き出しちゃうからやめてほしい。颯太と違って慣れていないんだもん。 颯太はけらけら笑って服を脱ぎ出した。僕も少し唇を尖らせて服を脱いでいく。 「……あ」 「ん?」 「指輪、外してこなかった」 「あー……俺もだ」 上半身まで脱いだところで首元に光を見つける。今日も二人揃って指輪を首にかけていた。流石にお風呂の中につけたままはだめだろう。 丁寧に外して、ハンカチに包んで置く。 「これで大丈夫」 「ふふ、よかったね」 颯太が優しく笑って頭を撫でてくれた。僕より大きな手の感触は、やはり心地いい。 指輪を一応服を置く棚の奥に置いて、ささっと服を脱ぐとお風呂場に入った。 「あーき、洗いっこする?」 「なっ……! だ、だめ。修学旅行中はもう何もしないっ」 「えー」 「だめだよ、絶対に」 心臓がドキドキ言っている。 颯太の前だとどんな理由であっても裸になるのはかなり恥ずかしい。 颯太と離れたシャワーを僕は使い出す。颯太はクスクス笑ったけれど、そのままにしておいてくれた。

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