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愛はガラス7
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空港に入る前に顔を上げる。空はからりと晴れ渡り、帰郷を爽やかに見送ってくれているみたいだ。
四日目、最終日の今日は有名な門を見に行って、様々な地域の食べ物が集まる区画で昼食を取った。
そして昼下がりの今、飛行機に乗るため空港へ来ている。
「もう帰るのかぁ……」
「四日しかいなかったけど名残惜しいな」
「だよなー、まじ寂しい」
松村くんも清水くんも、立ち止まって空を見上げる。
うっすら見える海に、ちらつく緑の木々。高い建物のない広々とした風景。
たった四日。だが記憶にしっかり刻まれている。
「沖縄、楽しかったね」
「うん。来られてよかった」
ソッと背中に手が添えられる。柔らかくて温かくて大きい颯太の掌。
はっきり言って颯太と一緒なら何でもいい。でもそれを差し引いても修学旅行はすごく楽しかった。
「たかちゃ〜ん」
「たかちゃんやめろ」
「んー……おれのことまた連れてきて〜……」
「連れていってもらう前提かよ」
轟くんも凛くんもどこか寂しそう。でも未来の話は明るくて、二人とも二人だけの空気。微かに微笑みあって、肩同士は触れ合いそうだ。
僕と颯太のことを散々からかうけど、二人だって負けていないと思う。
「まあ、楽しかったからいい! な!」
清水くんと何か話していた松村くんが、一歩前に出て叫ぶ。
その前向きな言葉に皆笑みをこぼす。
確かにそうなんだ。少し問題もあったけれど、最初で最後の修学旅行は楽しくて。七班で回れた沖縄はすごく幸せで。
そんな思い出があるから寂しさも乗り越えられてしまう。
「楽しかったな」
「うん、いい経験〜」
「ああ」
「すごく楽しかった」
「よかったよね、来れて」
めいめい返答を返して、故郷へ向かう飛行機へと乗り込んだ。
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