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Respective ways 12

重たいドアが閉まるのと唇が重なるのは同時だった。 誠也の欲に濡れた瞳が僕を見つめ、熱い舌が絡み合う。そうすれば必然的に僕の体も疼きだす。 「んっ……せい、んうっ……」 だがここは玄関だ。こんなところでするなんて、ありえない。 「んん、やめっ、せいやっ……」 「なんだよ」 甘い欲望を抑えて誠也の肩を押す。すると誠也は不満げな視線を送ってよこす。 「ここは玄関だぞ」 「んなの、どこでヤったって声は漏れる」 「なっ……だが」 「赤くなってかわいーな、がーき」 「くそっ、あ、んっ」 また重なる唇。必死に口を閉ざした。 玄関でやるなんて耐えられない。 だが誠也の舌は無理に口をこじ開けて僕の中へ侵入する。触れ合ったところから溶け合ってしまいそうなくらい心地よく、気持ちいい。 するする登ってきた手は胸と耳を触りだす。 耳の裏を指がするっと辿り、胸をきゅうっと摘まれると、ぞくぞくとした感覚が体を貫く。 もう抵抗どころの話ではない。 「んっ、んん……」 キスは続いているから声が漏れないのがせめてもの救いだ。 「すっかり快感覚えちまったな」 「うるさっ……んぅ」 それに気づいたのかはわからないが、誠也は口を離す。そして至近距離でにやにや笑ってくる。 言い返そうとしたものの、また乳首を摘まれて声を抑える羽目になる。 「全部、全部、可愛いぞ、柊」 「黙れ……」 「好きだ、柊」 「煩いっ……」 胸と耳と。指はいやらしく触ってくる。 そして耳元に直接誠也の声が吹き込まれて、僕の体はどうしようもなく熱くなった。 本当に、最悪。 どこか瞳が潤んでしまうのも、最悪。

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