「ま、でもおれも限界だからな」 耳の方の手が下がり、僕のベルトを器用に外す。その間も胸をいじる手は止まらないから、やはり僕は黙って待つしかない。 そしてあっさり外れたベルト。ズボンと下着もろとも一気に引き下ろされ、ストンと足元にたまった。 そこから現れるのは興奮した僕のもの。 もう既に先から汁が垂れていて、思わず目を逸らした。 「もうびしょびしょじゃん」 「煩い、んっ……お前も、だろ」 「ああ、だな」 誠也が性器の先端をいじるとくちゅくちゅと音が鳴る。びりびりと快感が駆け巡る。 だが誠也だってズボンの上からでもわかるほど勃たせている。 誠也は待ちきれないとばかりに僕の性器から液体をすくって尻の孔に塗りつける。間髪入れず指が入り込んできた。 「んっ……」 「こないだしたばっかだから柔らけーな」 伏し目がちに僕の胸と孔をいじる誠也。その口元にうっすら笑みが浮かんだ。 対して僕は唇を噛む。 誠也の指は一刻も早くほぐそうと動く。そのため前立腺ばかりを攻めてくるわけではない。そこは救いだ。 それでも感じないわけではない。じくじく性器も後ろも疼く。潤んだ目を閉じて、唇も噛んで、快感を別の場所へ流す。 「柊、また唇噛んでんのか」 「……ん、んん」 「口開けろって。傷になっても困るし」 「うるさ、んぅ……」 僕の唇の心配などせずに早くほぐして挿れてくれたらいい。 僕も、誠也も、限界。声がどうのって言っている余裕はない。 それにまだ理性があるうちくらい、声は見逃してほしい。 誠也はまた溜め息。今度は鼻から。 「仕方ねーな」 「くそ、やめっ……」 「おら」 「ひぅっ……」 誠也は指を僕の口にねじ込む。抵抗する僕を黙らせるためにぐりっと前立腺を抉られる。 自分の口から飛び出た甲高い声に、果てしない羞恥が体を巡る。 「これなら片手が塞がるのも安いもんだな」 「あっ、やっ……ひっ」 誠也は嬉しそうに笑って指を動かし続ける。口に入った指を抜こうと誠也の腕を掴む。しかし声の我慢や次々来る快感のせいで添えるだけになる。 「……ひ、あ……」 ただ誠也に翻弄され、どんどん後ろはほぐれていく。