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わくわく遊園地1
○ ● ○
三月も後半に入り始めたある日。
颯太の家でのんびり過ごしていた時だ。
僕のスマホがピロンッと音を立てる。
僕はテーブルのスマホに手を伸ばし、届いたメッセージを見る。
「……颯太、柊先輩が」
「んー?」
僕の肩を抱いて、ソファの背もたれに体重を預けていた颯太が、顔だけ前に出す。
『誠也がテーマパークの無料券を貰ってきた。前に話したように、いい機会だから四人で出かけるのはどうだろうか。』
スマホの画面にはそんなメッセージが表示されている。
それを見て颯太が笑みをこぼす。
「固いのは文章になっても変わらないね」
「うん」
「というか四人で出かける約束したの?」
「ああ。前に柊先輩が謝罪してくれたことあったでしょ? その時に」
「なるほどね」
男四人が連れ立ってテーマパーク。なんて想像するだけで違和感。でも最近は男だけでそういうところに行くのは増えているみたいだし、何より楽しそうだし。
テーマパークは、颯太と付き合うようになってから行く機会はあったけど、それ以前は殆どない。だからわくわくする。
「行くよね、颯太」
「嬉しそうな顔しちゃって。もちろん」
「ジェットコースター乗りたい」
「そっか、そっか。可愛いね」
颯太は微笑ましそうに僕を見て、頭を撫でた。
意外にも僕はジェットコースターが得意だった。進んで乗りたいと思う。だからまた、乗る。
僕は柊先輩に返信して、その中で日時を決めていった。
基本は村本さんに合わせる形だから、行くのは平日でなく休日。
人混みは凄そうだけど、それを上回る期待が僕の胸を埋めた。
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