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第466話

お出かけ当日はあっという間にやってきた。僕も颯太も既に春休みに入っている。 待ち合わせはテーマパーク近くの銅像。 僕と颯太が待ち合わせ場所に着いた時、二人の姿はもうそこにあった。 金髪の村本さんと柊先輩は遠目から見ると何か言い合いをしているみたい。だけど楽しそうだからこれが二人の普通なのだろう。 銅像の方へ颯太と二人で歩いていく。 「こんにちは。今日はありがとうございます」 「いいって。たまたま貰っただけだから」 颯太がぺこりと頭を下げるのに合わせて僕も下げる。村本さんは口角を上げた。 真顔だと常に眉間にしわを寄せていて怖い。でも話してみれば普通の人。これはこの間わかったことだから、気後れすることはない。 柊先輩にも軽く会釈した。 「んじゃま、入るか」 そして村本さんの一言でテーマパークのゲートをくぐる。 途端、むわっとした熱気に包まれる。中は外と人の数が大違いだった。四方八方から様々な人数の客が歩いたり、止まったり、騒いだり、走ったり。街も街でそれなりに人数はいるけれど、テーマパークの人混みとはどこか違う。 「亜樹、大丈夫?」 「うん、平気だよ」 颯太の心配そうな顔に笑顔を返した。 高揚感と颯太が隣にいてくれることが人混みの圧迫を押し返してくれている。 自然と柊先輩と村本さん、僕と颯太の二列になって歩いていく。 すると村本さんがこちらを振り返った。 「二人とも何がいい?」 「えっ……と、なんでも」 颯太と顔を見合わせて、とりあえず遠慮の言葉を吐いてしまう。 でもここに来たことはないから何でもいいのも事実だ。どれでも楽しそう。 「最初だからあまり激しくないのがいいんじゃないか」 「そうだな〜……」 柊先輩の助け舟に、村本さんは辺りを見回す。 「あれいーんじゃね」 そしてある一つのアトラクションを指差した。 パンフレットと照らし合わせると、どうやらファンタジーな世界の中を船に乗って冒険する、というものらしい。冒険がモチーフだからゆったりと進みそうだ。 「ああ、いいんじゃないか」 「俺もいいと思います」 「僕も……」 満場一致でそのアトラクションへ向かった。

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