468 / 961
わくわく遊園地4
「楽しかったね」
「うん。終始穏やかかと思えば少しスリルもあったし」
アトラクションを終え、また二列でテーマパーク内を歩き出す。
前の二人はまた軽い言い合いをしているみたいだ。二人とも瞳の色が和やかで、見ているこっちが嬉しくなってくる。
「……村本さん、思ったより怖くない」
「あー、見た目?」
「うん。あと口調も……でも全然平気だった」
「寧ろ立派な大人の人って感じだよね」
「そうだね」
前方で揺れる金髪を見てみる。
俊憲さんと一緒だった時も金髪だったとはいえ、表情は穏やかで、口調は丁寧だった。だから今日会った時、少し怯えてしまったのは事実。
お兄さんから不良さんへと印象が移行した……みたいな。
でも普通に優しいし、気も遣えて、居心地のいい人だ。きっと自分を変えるために大きな努力をしたんだと思う。
「次はこれなんかいいんじゃねーか?」
また村本さんが振り向いてパンフレットを示す。
そうやってこのあと、いくつかアトラクションに乗っていった。
僕の念願のジェットコースターも乗れたし、他にもスリルたっぷりのアトラクションを楽しめた。
そして気づけばお昼時を少し過ぎたくらいの時間になる。
「腹が減ったな」
柊先輩がポツリと呟く。
「ああ。そろそろどっかで食うか」
そうして昼食を取ることになった。
ともだちにシェアしよう!