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わくわく遊園地4

「楽しかったね」 「うん。終始穏やかかと思えば少しスリルもあったし」 アトラクションを終え、また二列でテーマパーク内を歩き出す。 前の二人はまた軽い言い合いをしているみたいだ。二人とも瞳の色が和やかで、見ているこっちが嬉しくなってくる。 「……村本さん、思ったより怖くない」 「あー、見た目?」 「うん。あと口調も……でも全然平気だった」 「寧ろ立派な大人の人って感じだよね」 「そうだね」 前方で揺れる金髪を見てみる。 俊憲さんと一緒だった時も金髪だったとはいえ、表情は穏やかで、口調は丁寧だった。だから今日会った時、少し怯えてしまったのは事実。 お兄さんから不良さんへと印象が移行した……みたいな。 でも普通に優しいし、気も遣えて、居心地のいい人だ。きっと自分を変えるために大きな努力をしたんだと思う。 「次はこれなんかいいんじゃねーか?」 また村本さんが振り向いてパンフレットを示す。 そうやってこのあと、いくつかアトラクションに乗っていった。 僕の念願のジェットコースターも乗れたし、他にもスリルたっぷりのアトラクションを楽しめた。 そして気づけばお昼時を少し過ぎたくらいの時間になる。 「腹が減ったな」 柊先輩がポツリと呟く。 「ああ。そろそろどっかで食うか」 そうして昼食を取ることになった。

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