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球技大会開始2
球技大会の種目は全部で三つ。サッカー、バレーボール、バスケットボールだ。
各クラスそれぞれの種目でA、B、2チームを作る。一人につき二種目まで出場可能。
そして学年関係なしに総当たりだ。
颯太と轟くんはバスケ、僕と凛くんはバレー、清水くんと松村くんはサッカーに出場する。
松村くん、轟くん、颯太は二種目だった。
校庭の朝礼台では校長の長い話が終わり、次はラジオ体操らしい。
各自ばらっと広がっていく。
その様子はだるそうにも、暑いだけのようにも見えた。
球技大会に対する熱意はクラスによって様々だ。確かにどのクラスも一応のやる気はあるのだけど、いかんせんクラス分けが習熟度別。
必然的に大きい番号のクラスの方が、運動部が多い。だからそこらへんのクラスの気迫は凄まじい。
僕たちみたいな番号の若いクラスは、景品は無理だけど、それぞれベストを尽くそう。みたいな感じ。
流れる音に合わせて体操をしていく。終始ふわ〜っとした雰囲気のままだった。
所々からお喋りも聞こえたし。
また中心に集まって、閉会の言葉を聞いて。
さすればあとは自由だ。
すぐ試合の人は会場へ。他の人は応援へ。
一気に雑多になった校庭で颯太の姿を探す。
だけど背の小さい僕は人の間を抜けるだけで精一杯。
と、腕を引かれて人の少ないところまで連れていかれた。
「ありがとう」
「お姫様のことならすぐ見つけられるよ」
目の前には愛しい人だ。
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