559 / 961
焦燥の熱さ7
「うーあー! 疲れたなぁー!」
教室の片隅で松村くんが叫んだ。
「うるせーなぁ、暑苦しい」
「松村くんのせいで気温上がった〜」
「はっはっはっ! オレすげーな!」
あれから残ったチームの応援に参加し続けた。残ったチーム数が少なかったため、空き時間も多かったが。
そして無事に午後も終え、閉会式に出て。
教室に戻って、ショートをして、今だ。
今日は全部活、活動禁止ということで、わいわいどこかに遊びに行こうとする団体。教室に残って余韻を楽しむ団体。疲れたから帰る人たち。
このように教室で各々過ごしている。
僕や颯太、清水くんに松村くん、凛くん、轟くんは、僕らの席の周りに集まって談笑中だ。
「冬に使えそうじゃん、松村」
「冬は効果なさそ〜」
「煩いぞ、小室!」
「みんな元気だね」
みんなのやりとりが面白くって笑いが止まらない。でもそれと同時に僕は暑さと緊張と疲労とでへとへとだ。
ちなみに結局、一組はどのチームも途中で負けてしまった。
清水くんたちのサッカーがベスト8。颯太たちのバスケがベスト4。
勉強クラスにしては頑張った方だ。
「でもこれから歩いて帰る気力はな〜い」
「バスは使わねーからな」
「いいじゃん〜」
「金もったいないだろ」
凛くんと轟くんの軽い言い合いも慣れたものだ。
幼馴染ってことは家が隣とか向かいとかなのだろう。最後の最後まで好きな人と一緒に帰れるのは羨ましい。
ともだちにシェアしよう!