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ショッピング1
紫陽花園を出たあと、僕らは街中へ向かった。とりあえず一つのビルに入る。
「まだ昼には早いね」
「うーん、どうしよっか」
じっくり紫陽花を見て回ったが、まだお腹が空く時間ではなかった。いろいろお店を見て回れば済むことだ。
「あ、そうだ」
「へ?」
「こっち」
颯太は僕を促してエスカレーターに乗る。その際に当然のごとく颯太が後ろに乗った。
そのまま二階を過ぎて、三階にたどり着く。颯太はそこで降りた。
この階は、見るからに……。
「ゲームコーナー……?」
「そう」
僕の目の前にはガチャガチャとした雰囲気が広がる。様々なゲームが設置された区画で、休日だからか人の数もそこそこ。
コスプレ……だろうか。明るい色のセーラー服を着たお姉さんが呼び込みをしている。
ゲームコーナーを見ると、颯太と前に行ったときを思い出す。颯太がリスを取ってくれたんだ。ちゃんと僕の部屋にいる。
「ゲームやるの?」
「今日はこっち」
可愛らしいお姉さんの声を横に、僕らは奥へ向かう。僕には全くわからないゲーム機の列を抜け、颯太が向かったのは、僕には、臆してしまう場所。
流石に僕でも何かはわかる。女性の顔が大きくプリントされた四角形の機械。女の子がいっぱいいる、キラキラしたところ。
そう、プリクラブース。
「そ、颯太……行くの?」
「亜樹と撮ったことなかったなあって」
「で、で、でも……」
焦りでかなりどもってしまう。
だって男子禁制感が溢れている。
そこに行く勇気は僕には、ない……。
ふっと目をそらす。その先にとある看板。
「颯太、あれ」
「あー……」
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