585 / 961

ご褒美7

「やっ、やぁっ、アッ……! ひっ」 性器から何も出てはいない。でもイッている。 イカせてあげた俺はいい彼氏だ。出せてはいないけれど。 「あぁんっ、ひゃっ、やらぁ……!」 「可愛いね」 「と、止まらな……ヒァッ! やらっ、やっ」 亜樹は次々襲う絶頂に首を左右に振っている。 俺と違って、ローターは無意思だ。加減なんてものあるわけがない。 ただ無機質に亜樹を責めるだけ。 亜樹が喘いで嫌がって、でもイッてしまう。その様が可愛くて俺はじっと見つめた。 亜樹の顔の腕はまだそのまま。というより力なく顔に置いているだけ、かもしれない。 「そうっ……やぁぁっ! とめっ、アンッ」 「顔見せて」 「ちがぅっ……ひゃぁんっ、やっ……」 「あーき」 頭をふわふわ撫でてあげる。未だに亜樹の性器はイキたくて震えているし、腰もびくびく動いているけれど、腕の強張りが少し弱まる。 冷たいと言っていた。きっと俺のがいいんだろうな。 「亜樹」 だめ押しにもう一度呼べば、涙に濡れた亜樹の瞳が見える。 イキすぎて辛いのか、ぽろぽろと雫は止まらない。 そんな甘い視線が、可愛い。 「いい子だね」 「んっ、そう、ちゅー……」 「うん」 亜樹が俺の背に腕を伸ばす。俺は微笑んで亜樹に唇を近づけた。 そろそろ俺のを挿れてもいい頃合い。きっと亜樹もそう思っている。だからキスの前に耳元で囁いた。 「もうちょっと頑張ろうね」 見開かれた亜樹の目を見つめ、俺は喘ぎ声を吸い取る。

ともだちにシェアしよう!