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しおき7

大きくかき回されたあと、中に入っている指が割れる。二本それぞれが違うところを擦る。 きっと僕が知らない間に増やしていたんだ。 「じゃあ指、倍にしようか」 「えっ、らめっ、そう……ひぁぁん!」 計四本の指がぐっと挿入される。一気に太くなったそれは僕の孔を好き勝手にいじった。 太くて、でも短い。どこか、足りない。 散々感じているくせにそんなことを思ってしまう。 シーツから上に手を伸ばす。颯太がいそうなところへ。でも、届かない。僕の腕が届かないようにしているのかもしれない。 「そう、た……そうた……あっああっ」 「一生懸命腕伸ばして、可愛いよ」 見えなくても颯太がいじわるく笑っているのがわかる。可愛いって言うなら、僕の腕を掴んでくれればいいのに。 左手は空いてるんだから。 「ァアッ!? や、ああん」 「不満げな亜樹にはご褒美だね」 「やらっ、やっ、あっあっ……!」 颯太は僕の感情なんてお見通しみたいだ。 空いた左手が僕の胸を摘む。指は変わらず中で動いて、前立腺もしっかり攻める。そんな中で胸までいじられたら、イッてしまう。 びくびく腰を震わせて、また出さないでイク。 もうつらい。もうイキたくない。 「大丈夫そう……かな」 「ひぅっ、拡げちゃ、らめぇっ……」 四本が二又に割れ、外側に向かって動く。僕の後孔はくぱっと開いて、少し空気が中に触れる。 颯太がきっと、それを見ている。僕のやらしいところ、見てるんだ。 あっという間に頬が紅潮していく。恥ずかしさで涙がさらに溢れる。それ以上に、颯太が見えなくて、また溢れる。

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