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凛々奮闘記7
「たかちゃん、いつものでいい〜?」
「おう」
戸棚からもはやたかちゃんが着てばかりの服を取り出す。
夕飯を一緒に食べて、結局たかちゃんは泊まっていくことになった。だからおれの服を代わりに貸すところだ。ちなみにもうおれは風呂に入った。
たかちゃんに服を渡す。そのまま風呂場へと向かっていった。
どうせ家が向かいなのだから帰ればいいのにって昔は思っていた。
でもたかちゃんは優しいんだ。
両親は共働きで出張も多い。だから一人取り残されることがおれは多かった。その度に轟家に世話になったり、たかちゃんが一緒に寝てくれたりした。
今もそうやっておれのこと心配してくれているんだろうなって。もう泣いたりなんかしないのに。
まあ今日は好都合だ。というかそうなることを見越して計画したんだから。
とりあえず部屋の中で座ってたかちゃんを待つ。
心臓の鼓動が早い。
でも大丈夫。亜樹くんにもアドバイスをもらったし、あとは堂々と誘えば、大丈夫だ。たかちゃんがくらっとくるような、誘いを。
「たかちゃんは……おれに興奮する、かなぁ」
座布団に顔を埋めてくぐもった声を出す。
いくらおれが頑張っても、たかちゃんがそう思わなければ意味がない。
そもそもおれって大した魅力ないし。いや、そもそも男だし。たかちゃんはおれを見て、興奮するんだろうか。確かにキスは何回かしたけど、結局そこで終わるし。
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