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凛々奮闘記8
そもそもそういうことするってことは、どちらがどっちかも決めなきゃ……じゃない?
いやなんとなく、おれは、女の子側、かな、とは思っていたけれど。
たかちゃんを抱くより、たかちゃんに抱かれる方が、想像に易いかもしれない。
だからそこでたかちゃんが興奮するかしないかが重要なんだってば。
「わかんない〜……」
「凛、寝てんの?」
「ひっ!?」
「うわっ」
いきなり後ろから声がかかって、思わず顔を上げる。たかちゃんはおれの頭を慌てて避けた。
「なんだよ。そんなに驚いて」
「や、ごめん……」
「別に謝らなくてもいいけど」
たかちゃんは何事もなかったかのように、おれのベッドにもたれて座る。
夕食、風呂を終えたら、大抵おれの部屋に行く。そこでくだらない話をしたり、スマホをいじったりして、眠くなったら寝る。
でも、今日は、違う。
どれくらいの時間がかかるかわからないし、早めに誘わなきゃ。
「……あの、たかちゃん」
「んー?」
たかちゃんは瞼を下ろしたまま返事をする。
たかちゃんはいつも通り。おれはいつも通りじゃない。
心臓がばくばく言う。これからしようとしていることに、頬が熱くなる。
それでもたかちゃんの隣まで行って、その二の腕にそっと触れた。たかちゃんはやっと目を開けて、おれを見る。
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