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凛々奮闘記10
そっとベッドに乗り上げる。ギシッという音が妙に生々しかった。
「うつ伏せになって」
「うつ伏せ……?」
「その方が辛くないらしい」
「……わかった」
所在無げに座っていたが、そこからうつ伏せになる。なんだかまるでマッサージしてもらう時みたいだ。
でも、でも、今は、違う。
「腰あげて」
「……う、うん」
たかちゃんの声は静かだ。緊張を懸命に抑えている感じ。
口ぶりからたかちゃんも色々調べていてくれたのだろう。それは素直に嬉しい。
枕に顔を埋めて腰をあげる。
「脱がすぞ」
コクリと顔を動かす。
予告してくれるのはありがたいけれど、余計に恥ずかしい気がするのは気のせいだろうか。たかちゃんの優しさが今だけはいたたまれない。
たかちゃんの手がおれのズボンにかかって、下着と一緒に抜き取っていく。下半身だけまとうものがなくなって、些か心もとない。
後ろからボトルを開ける音がした。
心臓がドクドク言い始める。
「……塗るぞ。冷たいかも」
たかちゃんの宣言の後にぬるっとした感触が尻に感じられる。ローションは人肌くらいの温度で、たぶんたかちゃんが温めてくれたよう。
最初は孔に塗りこむように手が動いたあと、指一本孔に添えられる。
二人同時に唾を飲み込む。
「じゃあ……入れるから」
その言葉通り指に力が込められる。そしてズッと中に侵入してきた。
「……いっ」
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