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夏だ!どこへ行く!?8
松村くんが最後に今週末だと言ってその場は解散となった。バタバタと仁くん、姫野くんは帰っていった。
僕も颯太も席に戻ろうとする。
「おい、どういうつもりだよ」
「単に姫野と長い付き合いなだけだって」
同じく席に戻ろうとする松村くんと清水くんの会話が聞こえてしまう。
聞いてはならない。そうわかっているけれど少し気になって、聞き耳を立ててしまう。
だって清水くんと姫野くんの距離を近づけるような行動を、松村くんがわざわざするように思えない。何か狙いがあるのかもしれないって。
ただ松村くんのノリと真面目の境界線はかなり曖昧だ。だから単にプールに行きたくて、たまたまその場に姫野くんもいたから、全員誘っただけかもしれない。あそこで姫野くんだけ省くのは、酷い行為であるし。
「そう言ったって一年の時だけだろ、同じクラスなの」
「あーいや、廊下で会うたび話しかけたりとかしてたし!」
「お前らしいけどさ……」
そこまで聞いてつんつんとつつかれる。その犯人は隣に座る颯太だ。
「盗み聞き?」
「えっ……や、そんな……」
「いいよ。実は俺も聞いてたし。気になるよね」
「うん……。まあ……」
昼休み終了のチャイムと五限開始までは五分間空くから、まだ教室はざわついている。
颯太に肩を寄せ、小声で会話する。
「松村くんは清水くんと姫野くんに付き合って欲しいのかなぁ。俺はそうなったら嬉しいけど」
いたずらっぽく笑む颯太に頬が熱くなる。
「いや、でも……清水くんの気持ちも、考えなきゃ……」
「でもあの後輩くんだけでなく、清水くんまで亜樹を積極的に狙い始めたからねぇ……。亜樹が俺に内緒で、二人を誘惑したせいで」
「ゆっ……!? し、してないもんっ」
さらに頬が赤くなってしまう。
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