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対極1

「プールだぁー!!!」 カラリと晴れ上がった空に松村くんの声が響く。 プールの日はあっという間にやってきた。 気温は高く、雨の気配もない。絶好のプール日和だ。 かなり大きめのプールにやってきたので、人の数が多い。流れるプール、小児用プール等、プールの種類が豊富だ。 「うるせーな」 松村くんの大声を清水くんが咎めた。ベチッと頭を叩かれても、松村くんは楽しそうに笑う。 「大所帯だね」 「うん、そうだね」 隣に立つ颯太がぐるりと一行を眺めて呟く。 颯太、僕、凛くん、轟くん、清水くん、松村くん、仁くん、姫野くん。八人もいる。 こんなに大勢で出かけるのは初めてだ。 ちゃんと団体行動できるのかと不安になるけれど、それ以上に今の僕には問題がある。 「亜樹?」 「ん?」 「ぼーっとしてどうしたの?」 「え、してないよ」 颯太の水着姿がとてつもなくかっこいい。 細く逞しい上半身を惜しげもなく晒し、水着から伸びる脚はすらりと長い。太陽の光に照らされる茶髪と笑顔は、直視できないくらい眩しい。 見慣れるのに何分もかかってしまいそうだ。 「あ、そうだ。チャックちゃんと閉めるんだよ」 「へ、平気だってば」 「だーめ」 颯太が僕のチャックを一番上まで上げる。必然的に距離が近くわけで……。 僕の心臓は高鳴りだす。 「どこで誰が狙ってるかわからないんだから、できるだけ肌は見せちゃダメ」 「誰も狙ってないよ……」 「こんな可愛いのに?」 「う、うるさいっ……」 颯太がチャックから手を滑らせ、鎖骨をなぞる。それだけで鼓動は倍速だ。 赤くなった顔をそらしたところ。 「相変わらずお熱いですね」 仁くんが僕の横にやってきた。

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