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Deviation 4

ざわざわした学食の列は進み、やっと中に入れた。手短に好きなおかずを選んで会計を済ます。 そして席を探しに二人で歩き出した。意外に混んでいて、なかなか見つからない。 「おーっ! ここ空いてる!」 啓二が見つけた席にすかさず座る。僕はその向かいに座った。そして盆をテーブルに置く。 「昼始まったばっかなのに結構混んでるよなぁ」 「一番行きやすい場所にあるからではないか」 「あー確かに」 啓二は周りを見渡してげんなりした顔をする。だがすぐに「食うか」と気を取り直したので、二人して手を合わせてから食べ出した。 「そういやさ、今日何限終わり?」 「四限だ」 「おっ、一緒じゃん! しかも四限も専門じゃん? 被ってるぜ」 思わず目を丸くして眉根を寄せる。 こいつとは趣味でも被っているのだろうか。専門は専門でも種類は豊富にあるからたまたま被るなどそこまで頻発することではない。しかも一日に二つもだ。 「嫌そうな顔すんなよー!」 「別にそうではない」 「おっ。なら今度こそ遊び行こうぜ」 互いに昼食を口に運びながら会話を続けている。だから啓二から出たこの言葉も何気ない一言だ。 だが僕の心は揺れる。 今日は四限終わり。そうすればその分家にいる時間、つまり誠也といる時間が長くなる。 前はそれが何よりの幸せだったはず、なのに。 「……ああ」 小さく頷く。 「おっ! まじ!? よし! 午後も頑張れそうだ!」 「何を言っているんだ」 目の前の底抜けに明るい笑顔を見ていると、現実を忘れられる。思わず小さく笑む。 「うわ! 柊が笑った! おおー!」 すると啓二がそんなことを言うものだから、僕は思いきり睨んでやった。

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