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未来と夢4

「なーつやすみだー!」 二者面談から数日後の教室。そして夏休み前日。 松村くんの大声が響いた。クラスメイトはもはやいつものことと気にしていない。 僕や颯太も驚かないし、清水くんは突っ込むこともなかった。 ちなみに今日は姫野くんも仁くんもいない。最近は来る回数が減っている。 特に仁くんは姫野くんより来ない。二人とも気を遣っているのだろうか。 「なあな!蓮!祭り行こうぜ!」 「祭り?」 松村くんは清水くんに向かって上に親指を立てた。その歯は太陽の光を受けて煌めく。 「間宮とか轟とかはそれぞれで行くだろ!だからオレはお前と行く!」 松村くんは颯太や僕、凛くんや轟くんの方を見た。そしてすぐに清水くんに視線を戻す。 その言葉は決意に満ちていた。 「もう決定事項かよ……」 「受験前に息抜き行っとこうぜ〜! なっ、なっ!」 「わかったって。別に嫌とは言ってないだろ」 清水くんはやれやれといった様子で頷く。でもその表情はどこか嬉しそうだ。 なんだかんだで二人はとても仲がいい。 松村くんの言う祭りとはこの近くの神社で行われるものだろう。大々的にとまではいかないまでも、屋台の数はそこそこ出る、らしい。しかも花火も上がるとか。 僕は行ったことがないから知らない。人混みは苦手だし、一緒に行く人もいなかったから。しかも昨年の今頃はそれどころではなかったし。 「そういえば祭りあるんだったね。亜樹行く?」 「うん。僕も息抜き」 「そうだね。一緒に楽しもっか」 「うん」 松村くんに言われるまで、この話題は僕らの間に出てはいなかった。 でも行かない理由はない。せっかく颯太と楽しめる場があるのだから、寧ろ行きたい。 「楽しみ……」 「もう、可愛いなぁ」 颯太の温かい手が僕の頬をするりと撫でた。

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