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綻び4

スマホが震えて、メッセージが来たことを告げる。画面を見ると颯太からだった。デートのお誘い。 じっと見つめていると画面は暗くなる。 柊先輩に会ってから数日。ずっと考えていた。 答えは僕の中にある。ならば今取ろうとしている選択が正しいのだろうか。けれど飲み物との関連がわからない。そもそも柊先輩の考える答えはそうでない気もする。 だが柊先輩の口ぶりからして人に答えを求めてはいけないのだ。自分で出さなければならない。 でも、なら、何が。 堂々巡りの思考を続け、悩み続け、結局答えは出ないまま。 こんな気分で颯太に会ってもきっと心配をかけてしまう。今までだってきちんと演技できていたか定かではないのだから。 そう思ってスマホを開く。手早く断りの返事を書いた。 すると理由を送る間も無く返信がくる。風邪かどうか心配していた。 特に理由が思いつかず、ちょっと都合が悪いだけと送っておいた。それから心配してくれてありがとうとも。 それに読んだことを知らせるマークがつく。返信は来ないので会話は終わったみたいだ。よかった。 だが問題はこれからだ。夏休み中ずっと断るわけにもいかない。 自分の中のもやもやを早く消さないと。 しかし考えれば考えるほど泥沼に向かっていく。だからとりあえず勉強でもしようと立ち上がった。 同時に、人の来訪を告げる音。

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