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晴れゆけば4

「俺、会いにいくよ。バイトのお金まだ残ってるし、なんならヘリコプターの免許とって、父さんから借りて行くし……」 「……颯太は、止めないんだね」 「亜樹のこと、応援したいから」 突拍子もない言葉に思わず笑ってしまう。くぐもった声で告げてから顔を上げる。 颯太は真剣な顔で言ってくれた。 しかしすぐにその顔が緩む。 「それに九条の顧問弁護士になりたいって、俺のためでしょ? 自惚れ……かな?」 照れ臭そうに言う颯太に、僕は勢いよく首を横に振る。 いずれ九条の頂点に立つ颯太の力になりたい。少しでも颯太の近くで働いていたい。顧問弁護士にこれほどなりたいと思ったのは、颯太の影響が一番大きい。 勇気が一等湧いてきた。颯太と遠く離れていても、やっていける気がする。 僕は自分の道を、まっすぐ歩きたい。 それで胸を張って颯太の隣に立ちたい。 「よかった」 「ありがとう。颯太」 「ううん。こちらこそ」 誓うように交わした口づけは少ししょっぱかった。 その日注がれた熱は、僕の中に留まって、内側から僕を後押ししてくれるようだった。 とても、とても、温かい熱だった。

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