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ストーク・ストーキング1
清水くんと姫野くんの関係がめでたく実り──僕はまさか本当に付き合うとは驚いたけれど──平穏な日々を過ごしていた。
体育祭という三年生にとっては最後のイベントが終わり、いよいよ受験が近づく。もう勉強しない言い訳がなくなった。僕にとっては前と同じ日々なので平穏だけど。
ただそんな日々を崩すものが一つ。
……パシャッ。
エコバッグを握りしめ、振り返る。人影が電柱の後ろに見える。隠れているつもりなのかもしれないが、足や頭の一部が覗いている。その手にはカメラだ。
僕は再びスーパーに向けて歩み始める。その人も、その人なりにこっそりとついてくる。
言うなれば、ストーカーだ。ちょっと間抜けな。
ここ数日、一人で外を歩いている時のみ、ついてくるのだ。しかも盗撮もする。何かの間違いかと最初は思っていたけれど、続いているところからしてそうではないのだろう。
立ち止まりスマホを取り出す。『このあと家に行ってもいい?』と颯太に送った。
素直に相談してみようかなって。
「……わっ」
即座にスマホが震えるからびっくりしてしまう。もちろん答えは『いいよ』だ。
ふっと笑みをこぼして僕はまた歩き出す。
パシャリと一眼レフの音がした。
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