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フラッシュ3
初めて父と再会した日から、僕と父はたまに連絡を取るようになった。
父はよく写真を送ってくる。空が綺麗だったとか、道が整っていただとか。一眼レフだから、とても綺麗だった。写真撮影が趣味なのかもなって、なんとなく思っている。
それに僕は感想を送り、ついでにと何か質問をされるのが定番だった。
だけど今日は違って。
颯太の家で放課後、一緒に勉強していた時だった。スマホの通知音が鳴って、確認すると父から。
『紅葉、最近綺麗だよね。週末に公園行かない?』
再会した日以来会っていなかったから少し驚いてしまう。
写真を撮るような人だし、紅葉も撮りたいのかな。ついでに息子にも会いたいって思ったのかもしれない。
「颯太、見てこれ」
「んー? ああ、お父さん?」
颯太のそばまで行ってスマホの画面を見せる。
「一緒に行かない?」
「え、俺も?」
「……だめ?」
驚く颯太を見上げる。
前いた時も颯太と一緒だったし、まだ二人きりは少し不安というか。気にしなくていいよとは言ってくれたけど、恋人と言えなかったことも気になっている。
僕は颯太の返事を待つ間に『颯太も一緒でいいですか?』と送っておく。
「いや、俺は遠慮しておくよ。せっかくだし親子水入らずでさ……」
「でもね」
画面を見せる。父からは『相変わらず仲良しだね。もちろんいいよ』と返ってきていた。
颯太はやられたという顔で僕を見る。僕はにやりと笑みを見せる。
「わかったよ。一緒に行こう」
颯太はため息とともにそう言った。
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