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フラッシュ8

「ははっ……立派な息子だなぁ。嬉しいよ、ぼく」 「わっ……わっ!」 父は驚いたようだけど、すぐ顔いっぱいに笑った。 僕の頭を撫でてくる。遠慮することなく、わしゃわしゃと。 「──幸せなのは、颯太くんのおかげ?」 「……えっ」 髪の毛を整えていると、出し抜けにそう言われる。だからかなりびっくりしてしまった。 「仲良しの友達がいると、毎日幸せだよね。まあ颯太くんだけじゃないと思うけど」 「あ、ああ……はい」 父は無邪気に笑んでいる。 鋭いのか鈍いのか、わからない。全部見透かされていたら怖い。無いと思う……そう願いたいけれど。 「そういえば颯太くん遅いねぇ」 「ちょっと連絡してみますね」 スマホを取り出す。颯太からは大丈夫そうになったら連絡してほしいと送られてきていた。 何でもお見通しだなぁって思いながら、『もう大丈夫だよ』と送る。 「そろそろつくみたいです」 「そっか。楽しみだね」 「いや、でもなんかごめんなさい。僕のわがままで……」 「ううん。ぼく、颯太くんともお話ししてみたいから平気だよ」 父の表情を見る限り気を遣っているわけではなさそうだ。よかった。 父とのやり取りで颯太の話が自然と出ることはあった。だから興味を持ってくれたのだろうか。 「……亜樹!」 声よりも先に笑顔がこぼれる。

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